ペットの「食事」と体調管理はハリネズミに限らずとても重要です。ただ、うちの子が太っているのかやせているのか、そもそもわからなかったりするので、なかなか難しい問題でもあります。ここでは、論文を引用しながら、体重管理について考えてみます。
目次
一般論としてのベスト体重は?
でははじめに、下の論文からの引用をしつつ、一般論をかみ砕いて書き出してみます。
参考 ヨツユビハリネズミの食餌操作による体重管理総合学術電子ジャーナルサイト「J-STAGE」 まずは成熟したハリネズミの標準的な体重ですが、オス500~600g、メス250~400gと論文にあります。生後2~3カ月で独り立ち、6カ月で性成熟、1歳ぐらいで体長は成熟、と考えると、1歳以降の標準体重がそのくらいということだと思います。
ただ、元気くん(オス、当時6カ月、280g)を獣医さんに診てもらっているとき、大きい子小さい子という個体差はあるので、やせすぎと断定はできない、ということでした。
そもそも、体重が増えるとどんなデメリットがあるのでしょう。論文には“過食から肥満につながる可能性が高い。肥満は脂肪肝、腎疾患や心疾患を引き起こすことがある。”とあります。人間と一緒では…。愛情を注いでいるハリネズミちゃんが長く健康で過ごせるよう、飼い主の皆さんがしっかり体重管理を行いたいところです。
ふやかした状態で毎日20~25gが適量かも?
論文では、乾燥状態15g(ふやかして40g)のハリネズミフード(三晃商会)に粉ミルク1gをかけたものを16:00~翌8:30までずっと置いて実験しています。その結果をざっくり言うと、「個体差はあるものの、ふやかした状態で5~25gを食べてあとは残す」という感じです。いっぱい置いておいても“過食をしないと示唆”されたと記載があります。
この論文の実験結果の一部を勝手にまとめますと、ふやかした状態で毎日20~25gぐらいあげれば必要十分、ということのようです。
元気くんは、乾燥状態で約2g(ふやかして約7g)+ゼリー約4g、つまりふやかした状態で11gを1日3回で、各回完食なので、33gぐらいは食べているということになります。論文の数字よりも多いですね。よく運動するので相殺されていると考えればよいのか…??
まだ、1歳を迎えていませんので、1歳までは食事量よりも運動量、1歳を過ぎたら食事量を調整しつつ運動もしてもらう、という方針で、少し多めでも(体重が激増しているわけではないので)気にしないようにしています。
ペットショップではフェレットフードを与えられていた
先ほどから引用しているこの論文を見つけたときのお話です。この論文の主題は「フェレットフードへの依存と肥満」が主題のひとつなのですが、まったくの偶然ですが、元気くんはまさにそれでした。驚きました。
元気くんはお迎え前、ペットショップでフェレットフードを与えられていました。お迎え後フードを食べてくれないと困るなと思い、とりあえずショップで与えているフードと同じものをと考えて、店員さんに銘柄をうかがったのです。すると「これはフェレット用なのでハリネズミ用のものをあげてください」と返答されました。そのときは「へえ、フェレット用でもいいんだ」と思いました。
論文によると、フェレットフードは嗜好性が強いため過食傾向になりやすく、結果的にハリネズミの肥満につながる、とのことです。論文にはフェレットフードに慣れすぎてハリネズミフードを受け付けない子の例も出ています。
うちの子は、お迎え時、ひとまずハリネズミフードを与えて、食べなかったら考えようということにして帰り、ハリネズミフードを与えてみました。すると文句も言わず完食してくれたので、結果として事なきを得たという…。
料理秤を使って重さを量りましょう
フードの量と体重測定のためには体重計が必要です。料理をされる方はすでにお持ちかと思いますが、1kgまで計量できる料理用の電子秤であれば、安く買えますし必要十分です。
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