赤い光はハリちゃんにやさしい?検証レポート

ハリネズミに赤い光は見えない、は本当?検証レポート

ハリネズミは夜行性で明るいところが苦手です。一方で、ハリちゃんは赤い光が見えない、つまり暗闇に感じるといいます。ライトを赤い光のものに変えて、明るさを感じずに伸び伸びと過ごしてもらっているハリ飼いさんもいらっしゃいます。というわけで今回は、赤い光がどのくらい効果があるのか、ハリちゃんに教えてもらいました。

用意したもの

検証に使った機材は次の3つです。

ライト本体:オーム電機 AS-N10AW-S
オーム電機 AS-N10AW-S

赤の電球(E26/1.4W/9lm):オーム電機 LDG1R-H 13
オーム電機 LDG1R-H 13

電球色の電球(E26/7.9W/810lm):アイリスオーヤマ LDA8L-G-6T52P
アイリスオーヤマ LDA8L-G-6T52P


ふたつの電球、明るさが違います
今回、赤い電球で明るいものが見つからず、赤い電球は9ルーメン、電球色の電球が810ルーメンと明るさが全然違います。結果からこの点は割り引いて考えてください。

実験内容

ハリちゃんが活発な20~21時頃暗い室内いつもの場所(ケージ)で自然に過ごしてもらっている状態で、ライトを付けて反応を確認しました。

STEP1
暗い室内
暗い状態でカメラと赤い電球を装着したライトをセットします
STEP2
赤い光
ハリちゃんが自然に遊んでいる音を確認してライトを付けて反応を確認します
STEP3
電球交換
ライトを消して再び暗闇にして、電球を電球色に交換します
STEP4
電球色の光
電球色のライトを付けて反応を確認します
STEP5
再び赤い光
ライトを消して暗闇にして、STEP2と同じ赤い電球に交換、ライトを付けて反応を確認。これで完了です

検証に協力してくれた子について

今回、ハリんちの中でも少しクセがある子たち3名で検証してみました。ちょっと驚かすことになってしまうので気が引けた部分もありましたが…、これを気に赤い光について関心を持ってくれる人が現れると信じて、少しだけガマンしてもらいました。

協力者1:音ちゃん(6カ月)

ハリネズミの音ちゃん(6カ月)
ハリんちで一二を争うぐらい臆病な子です。触れられるのはもちろんNG、光や物音への防御反応が強くて、すぐハウスに引っ込んでしまいます。明るい場所で回し車に乗ったことはこれまで一度もありません。最近では少し慣れてきて、呼ぶと出てきてくれることも増えましたが、接触・光・物音への反応は依然強いです。

協力者2:夏ちゃん(1歳1カ月)

ハリネズミの夏ちゃん(1歳1カ月)
3カ月を過ぎたころからビックリ屋さんの気質が表に出てくるようになって、何かで驚くと興奮してケージ内をすごいスピードで走り回ったりしていました。8カ月頃からだいぶ落ち着いてきて、出産前後からはだいぶフレンドリーになりました。
触られるのはあまり好きではないのですが、抱き上げるとおとなしくしています。光や物音への防御反応はそこそこあります
ごくまれに明るい場所でも回し車に乗ることがあります。

協力者3:さくらちゃん(1歳2カ月)

ハリネズミのさくらちゃん(1歳2カ月)
2~3カ月頃から触られるのを嫌がるようになりました。物音や明るさにはそれほど過敏ではありません。夏ちゃんと同じく、出産前後からはだいぶフレンドリーになりましたが、触られるのは相変わらずイヤみたいで、抱っこはなかなかさせてくれません。

検証結果

実際どうだったかはYouTubeで見てみてください。実験ですのでノーカットで、ただし長いので随所で早送りしています。


STEP2:赤い光を付けた時の反応

3名とも、暗闇から赤いライトを付けたときは、回し車をしていた子は引き続き回して、ケージの中を走り回っていた子は引き続き走り回っていました
やっぱり赤い光は見えないんですね。

STEP4:電球色の光を付けた時の反応

電球色のライトを付けると、みんなピタッと止まりました。ビックリしたんですね(ごめんね!)。その後の反応は個人差がありましたが、緊張状態に入った子が2名、一見変化がないように見えたのが1名でした。

STEP5:再び赤い光を付けた時の反応

ここが意外とハリネズミの本質を捉えた反応だなと思いました。
STEP4でいったん緊張状態に入ったハリちゃんたち、そこからまた平常に戻るまでにけっこう時間がかかったのです。

ハリんちの私見ですが、警戒心が強めな子の場合、緊張状態から平常の間には、このようなグラデーションがあるように思います。
ハリネズミの緊張状態とリラックス状態での行動

ハウスに籠もる、おやつをもらいに出てくる、ケージの中をうろうろする、ハウスに登る、回し車で遊ぶという行動をハリちゃんの状態別に配置してみたものです。これまでハリちゃんたちを観察してきて、かなり安心した状態でないと回し車を回すまではしないなと感じています

逆に超興奮状態でも回し車を回します
例外として、男の子が女の子のにおいに気付いて興奮したり、おなかが空きすぎていてごはんのにおいだけが漂ってきたりなど、超興奮状態になった場合にも回し車を回します。
今回、いったん電球色のライトの点灯で緊張状態に入ったハリちゃんは、リラックス状態に移行して回し車遊びを再開するまでに、それぞれ時間がかかりました。
音ちゃんは1時間ぐらい、夏ちゃんは15分ぐらい、さくらちゃんは10分ぐらいです。
この振れ幅は、その子が抱えている臆病さの大きさでもあるのかな、そんなふうに思います。

実験を終えてわかったこと

この実験で教訓になったことは3つです。

  1. 赤い光は確実に効果がある
  2. 急に電気をつけて明るくすると、ハリちゃんはけっこうビックリする
  3. いったん緊張状態に入った子が再びリラックスするまでの時間には個人差がある
ということです。

ハリんちの対応

ハリんちでは、バー店舗ですでに赤い照明を導入しています。
ハリネズミバー ハリんちの赤い照明
CAMPFIREの活動報告にも投稿していますのでよろしければご覧ください。

また、自宅のハリ部屋には昼白色のシーリングライトがあるのですが、このフードを赤く塗装して、赤い光に満たされるように改造しました。
日中
シーリングライトのフードを赤く塗装


赤い照明に変更したハリネズミ部屋
これまで夜のハリちゃんのお世話は、基本的に常夜灯を付けて、薄暗がりでやっていました。簡単なお世話だけならそれでなんとかなるのですが、細かいものは見えません
なので、たとえば床にうんちやおしっこがあるかとか、ミルワームやフードを床にこぼしてしまったりとか、そういう場合にはやむを得ずライトを付けていました
赤い光にしたことで、飼う側も気にせず照明をつけられるようになりました。

余談:日光はなぜそんなに気にしないのかという謎

なぜ照明の光には反応するのに、日光は気にしないのでしょう。単に気にしていないように見えるだけ、というふうには見えないんですよね。この点誰か教えてほしいです。

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