ハリネズミの「かわいい」「かわいくない」13のポイント

一緒に暮らすパートナーとして、ハリネズミのかわいいところとはどんなところでしょうか。また逆に、かわいくないところはどんなところでしょう。今回は、ハリネズミに興味がある方向けに、ハリんちでの飼育生活を振り返って、人間目線でハリネズミの魅力を掘り下げていきます。

かわいいポイント

ハリネズミは基本的に観賞がメインのペットと言われます。確かに、独立心が強く臆病で人になつかない動物ですので、コミュニケーションやスキンシップが犬や猫と同じレベルで行えるわけではありません。そういったことを差し引いてもかわいいのがハリちゃんです(断言)。

MEMO
ハリちゃんを被写体にしたかわいい「写真」はきりがないくらい例があるので、ここでは扱いません。あくまで共に暮らすうえでのかわいいポイントだけに絞ります。

1 チョコチョコと一生懸命走り回る

小動物独特のかわいらしさですが、ケージの中やホイール(回し車)を走り回る姿の愛らしさは格別。太めの子のボテボテ歩きもまたいいですね。
回し車(ホイール)で遊ぶハリネズミ



2 食事中の幸せそうな顔

どんなペットでもそうですが、食事中の様子を観察する楽しみは飼い主の特権。餌をねだる姿がっつく姿食後の口まわりペロリなど、見どころはたくさんあります。

また、立ち上がっているときにおやつを与えると、少し上を向いてにこやかに味わう様子も見られるので、飼育ケージは高さ15センチ程度の塀があって、立ち上がれるものにするのがオススメ。
食事中に笑顔のような表情を見せるハリネズミ



3 おなかのさわり心地がいい

動物全般の楽しみのひとつは、なんといってもやわらかい毛のもふもふをさわること。ハリネズミにもちゃんともふもふ部分があります。抱き上げておなかをさする気持ちよさは格別です(嫌がる子もいます)。また、毛の質は毛布っぽい子、シルクっぽい子など、個体差があります。

注意点として、ハリネズミはよく動き回って汚すので、毛が汚れているとゴワゴワになってさすり心地が悪くなります。そんなときは、足湯でおなかも洗ってあげればサラサラ復活!です。

4 無心にもぐる・隠れる

ハリネズミはモグラの仲間。狭いところにもぐったり、何かにピッタリ体をフィットさせたりするのが好きです。

ハリんちでは、ヘチマトンネルを頭からかぶって抜け出せずに暴れる姿(ちゃんと自力で抜けますし、締め付けているわけではないので危険はありません)、小さなハウスに床材を敷き詰めてキツキツにして眠る姿、広いケージの中でわざわざ狭い場所を選んで、仲間同士で密着して眠る姿など、とても愛らしい様子に毎日癒やされています。
くっついて眠るハリネズミ



5 呼びかけたら近づいてくる

あくまで訓練というか、フードとセットにして覚えてもらうように努めたうえで、ですが、声をかけると近寄ってくるようになります。これは臆病な子でも大丈夫です。寝ているときでも、呼ぶと「ハッ!」と起きてトコトコと近寄ってきたり。これはかなりかわいいですよ。
呼びかけに反応して人間を見つめるハリネズミ



6 手の中で眠る

適正のある子限定ですが、手の中で眠ってくれる子もいます。スキンシップが難しいタイプの動物なので、これをさせてくれたら飼い主としては至上の喜びでしょう。手の中で安堵のため息をついたり、体の位置をキュキュッと調整したりしてくれると、いつまでもこうしていたい、と思ったりもします。

ハリんちでは11匹中5匹で経験がありますが、しばらくやらないと忘れてしまうようです。手の中で眠ることを覚えてくれたなら、何日かに1回は抱き上げて眠ってもらうようにしたほうがよさそうです。
人間の手の中で眠るハリネズミ

7 マイペースな暮らしぶりになごむ

「かわいいポイント」から少し外れるメリットを1点。動物全般に言えることなのかもしれませんが、時間感覚が人間とはまったく違います。本能に従ってマイペースかつ欲望に対して忠実に、食べて寝て遊ぶというシンプルな暮らしをしています。

そんな彼らを見ているときは、不思議と人間側の時間がゆったりと流れるような感覚になります。ハリネズミ時間に自分をチューニングして彼らを見つめているだけで、気分転換やストレスケアになると思います。

かわいくないポイント

いいことばかりではありません。「かわいくないなぁ~」と思う点もいくつかあります。いいところも悪いところも個性ですので、丸ごと受け入れてしまいましょう。

MEMO
ハリ飼いの方々とお話をしていると、「かわいい」「かわいくない」のポイントは本当に個人差があるなあと実感しています。時には「かわいくない」ポイントが「かわいい」と感じる方も。そのため、以下はあくまでハリんちの一意見として読んでください。

1 臆病すぎる

個体差があるものの、ハリネズミは基本的には臆病にできている動物です。ちょっと横を通ったり、さっとケージに落ちているうんちを取ったりするような、人間が意図しないタイミングでおびえたりします。こちらには悪意のかけらもないので、少し悲しくなったりもするわけですが…。特に飼育初期にはどのハリ飼いさんも経験することかなあと思います。

ハリんちでは、こうしたおびえ行動について、過度に気にしないことをオススメします。単なる本能的な反応で、ハリちゃんにも悪意はないと思うからです。
実際のところ、ハリネズミにも環境順応性が備わっています。
音や光、人間の存在について、人間が遠ざかるのではなく、無理のないレベルでゆっくり慣れてもらいましょう。ハリんちでは、そのようにしてハリちゃんが順応した例があります。
おびえて針を立てるハリネズミ

2 人間がやさしく接しても応えてくれない(なつかない)

勘違いされやすいのですが、ハリネズミは犬や猫とは違い、基本的には人間になつきません。ですので、人間が気持ちを込めて接しても「返ってくる」わけではなく、それに対して「かわいくないなぁ~」と思ってしまう人もいると思います。

ハリネズミとコミュニケーションが取れるタイミングは、ほぼほぼご飯がらみだけなので、それ以外のときにつれなくされても気にしないことです。とはいえ、粗雑に扱ったり、怒鳴ったりするのはNG。警戒心を強めてしまい、飼い主から離れてしまいます。「やさしく接するけれども、見返りは期待しない。」これが大切です。

3 掃除したそばから汚す(笑)

砂場を置いておけば、(おそらく外敵に臭いを察知されないようにするために)砂場で排泄をする子が多いですが、なければところかまわずやってくれるのがハリネズミという生き物。特にホイールなどで運動していると、すぐそこでうんちをしてしまい、踏んづけたり、一周回って頭の上に落ちてきても全然気にしません

人間の立場からすると「汚れた!」ということなので、すぐに掃除をしたくなりますが、掃除をしてもまたすぐ汚しますので、いわゆるイタチごっこ(笑)。
ハリネズミ自身は、汚れたと思ったら砂場で足先やハリ、おなかをこすりつけてきれいにします。人間の尺度からは「いや、まだ汚いけど…」と感じても、彼らの尺度に合わせるべきです。

ただし、ケージの中は別です。たとえば、おしっこや給水器の水が床材に染み込んで濡れて寝床に達すると、寝ているハリネズミにカビが発生する可能性があります。また、ホイールについたうんちを放置しておけば、(やったことはないですが)おそらく腐って変な菌が繁殖するはず。
毎日1回はケージの中をしっかり掃除してあげましょう。

4 本気で噛んでくる

スキンシップを取っているとき、手から食べ物を与えているときなど、ハリネズミはなぜか人間の手をおいしそうに感じる瞬間があるようで、ガブッと噛んできたりします(まったく噛まない子もいます)。「痛い!」と言っても無駄です。通じません(笑)。

幸い指を引きちぎるほどの力はありませんし、軽ければ少し赤くなる程度、強めで少し血が出る程度、最大出力で表皮がめくれる程度のけが。とはいえ、痛いことには変わりないので、噛まれそうになったらすばやく手を引っ込めましょう。反応速度=飼い主の熟練度です(笑)。

5 爪を切らせてくれない

多くの飼い主さんたちの悩みの種はやはりこれ、「おとなしく爪を切らせてくれない」ことです。おとなしく切らせてくれるときもまれにありますが、ほとんどの場合ばたついてしまって危なっかしいです。ハリネズミは爪先にも血が通っているので、ちょっと深爪してしまっただけで出血するというおまけつきで、飼い主的に高難易度のお仕事です。

6 ほかの子と仲良くできない(ことが多い)

多頭飼いしていると、つくづくハリネズミが単独飼育に向いた動物だということを思い知らされます。オス同士はまずうまくいきませんし、メス同士でも相性が悪ければケンカ。オスとメスは交配計画時を除いてもちろんNGです。

しかも、人間に対してはフレンドリーでも、ハリネズミ同士だとケンカをふっかける子さえいます。一筋縄ではいかないですね…。多頭飼いでケージ内同居をさせる場合は、彼らの行動をつぶさに観察して、個々の社会性を見極める必要があります。

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