臆病だとか、人になつかないとか、断片的なイメージだけで語られることの多いハリネズミですが、彼らも生き物、いろんな性格の子たちがいます。今回の記事では、ハリんちで飼育している子のうち、4カ月以上の7匹それぞれの性格を、年齢順に紹介します。
目次
個体差の出る特性を5つピックアップ
ハリネズミで差が出やすい特性ってなんだろう、と考えてみた結果、5つほど思いつきました。以降、各ハリネズミちゃんについて、「臆病さ」「朝のノリ」「夜のノリ」「人慣れ」「ハリネズミ同士(で仲良くするか)」という項目について、5段階評価でお知らせしつつ、その性格について解説してみたいと思います。
三太郎くん(3歳7カ月):人なつこいのほほん屋
朝も夜も人や仲間が動いていたらのそのそと起きてきて周りを観察します。
ハリネズミ同士の関係では、オスメスにかかわらず友好的な反応を示して、ピーピーと求愛声を出してにおいをかぎに行きます。
抱き上げたときの反応:三太郎くん
抱かれることがわかっても抵抗しません。抱かれることよりも手のにおいのほうが気になるようです。
健太郎くん(3歳1カ月):臆病?お調子者?謎多き子
ですが、引っ越し後にケージの配置変更や寝袋の撤去などを行ってから、なんだか元気になってきて、人がいるところでも気にせずにホイールを回したり、ごはんを食べたりするようになりました。
さらに直近、3歳になるかならないかぐらいからですが、ケージのへりに前足を乗せてのぞき込んでごはんを催促するようになりました。試しにミルワームを手で与えてみたところ、手から直接食べるという、以前とは比べものにならない変わりよう! また、ごはんがほしいからなのか、朝からホイールを回したり、ケージの掃除中にケージから脱出するなど、かなりアクティブに変化しました。
抱き上げられるのは相変わらず好きではないようですが、以前は抱き上げようとすると完全に丸まってしまっていたのが、今はハリを立てる程度で、抱いたあとにどこかに置くとすぐ動き出します。
ハリネズミ同士の関係では、かなりの防御反応を示します。メスへの興味も特に感じられません。自分から攻撃するようなことはないのですが、友好的な反応もありません。
抱き上げたときの反応:健太郎くん
抱かれることがわかると、軽く威嚇音を出して、少し体を固くします。抱かれたあとはおとなしくしています。この動画撮影時は、かなり機嫌がよかったほうです。
蕾ちゃん(2歳3カ月):ヒステリー持ちの神経質な子
小さい時は今のような性質ではなかったのですが、一度目の出産後からかなり気難しく、神経質になりました。
また、ちょっと人間の声に弱いようで、声をかけたときに警戒する仕草をとることがあります。触られることも苦手なようで、触ろうとすると軽く威嚇したり、機嫌が悪いと丸まって完全防御します。
ケージの掃除後には必ず砂場・給水器・ホイール・ハウスの様子をチェックするのですが、これも神経質な性質の表れでは、と考えています。常にハウスの中を床材で一杯にして巣づくりするのも、いわば縄張り意識の一種なのかなと思いました。
ハリネズミ同士の関係では、メス同士でも(虫の居所が悪いと?)、自分の子どもでさえうまくいかないことがあります。
抱き上げたときの反応:蕾ちゃん
抱き上げようとすると、短く威嚇音を出して後ずさり、逃れようとします。体もやや丸めにかかっています。抱き上げたあとも、鼻先で手をよけるようにしたり、逃れようとしています。とはいえ、この動画撮影時はどちらかといえば機嫌がいいほうですね。
元気くん(1歳6カ月):根は臆病だけど夜はランナーズハイに
また、人間に触られても基本的に気にしません。昼間、落ち着いていれば手の中で眠ったりもします。
夜になると豹変します。他の子よりも早い時間から、長い時間(3時間超えもざらです)ホイールを回し続けることも珍しくなく、ランナーズハイになると、臆病な性質は完全に消え去ります。飼い主が来たと思えば走り寄ってケージの外に出せと訴え、実際に手を出すといそいそと手に乗ってきます。
ただ、ハリネズミ同士の関係では少し問題児です。オス同士の場合は高確率で攻撃的になります。相手の首筋にかみつくこともよくあります。
抱き上げたときの反応:元気くん
抱き上げようとしても気にせず、手のにおいをかぎにきています。三太郎くんと似たリアクションです。抱き上げると逃げようとしますが、これはどちらかというと「動き回りたいから離せ」といった反応に思えます。
花くん(1歳3カ月):触られるのだけはマジ勘弁な子
人間に触られることに対して過敏な反応を示します。抱き上げようとすると全速力で逃げようとしますし、抱き上げると全力でばたついて逃げようとします。しつこくすると怒りが沸点を超えてケージの中をドタバタします。この点は、お母さんの蕾ちゃんととてもよく似ています。
ハリネズミ同士の関係では逆に、相手がオスでもメスでも興味を示し、ハリんちではダントツにかわいらしい、高めで澄んだピーピー声を出しながらにおいをかぎに行きます。
ただ、花くんの思いとは裏腹に、なかなか痛い目に遭っています。
お母さんの蕾ちゃんとは、親離れから少しあと、親子3人を再会させた際に、花くんが蕾ちゃんにピーピーしたのですが、蕾ちゃんは首元をガブッ! 相当痛かったのか、悲鳴を上げました。
また、元気くんと対面したときも、ピーピーと寄っていったところ、またもや首元をガブッ! 例によって悲鳴です(笑)。仲良くしたいだけなのでしょうけれども……報われない子です。
抱き上げたときの反応:花くん
抱き上げようとすると飛び上がります。よっぽどイヤなのでしょうね…。抱き上げた後も、手足をバタバタして必死で抵抗します。この動画では、最終的に手から転げ落ちるようにして逃れていきました。
姫ちゃん(10カ月):おっとりしていて何事も気にしないタイプ
夜は元気ですが、ランナーズハイのような状態になることはありません。
人間に触られるのはあまり好きではないはずなのですが、たぶん性格が「気にしない」なので、あまり嫌がったりしません。ひざの上で寝たりもします。
ハリネズミ同士の関係でも、気にしない性格が出ていて、メス同士であれば(食べ物が関わっている場合を除いて)ほかの子がいても大丈夫です。
抱き上げたときの反応:姫ちゃん
抱き上げようと手を広げているうちは気にしていないのですが、触れられたときに少し威嚇音を出します。ただ、体を固くしたり丸まったりといった反応はありません。抱き上げられたあとは、やんわりと逃げたいアピールをします。
さくらちゃん(4カ月):まだよくわからない部分が多い
姫ちゃんとベビたちを含め5名で暮らしている様子を見ていると、姫ちゃんファミリーとは別行動を取ることもあるようです。みんなが寝ている時間にひとりでホイールを回したり、ひとり別の場所で寝ていたり…。
また、朝は姫ちゃんに負けず劣らず弱いようで、姫ちゃんと一緒に最後まで寝ていたりします。
人間に触られるのはあまり好きではないようで、抱き上げようとすると軽い威嚇声を出します。とはいえ、抱かれて暴れるわけではありません。
ハリネズミ同士の関係としては、ほかのメス4匹とケンカをしたりすることはなく、おだやかです。
抱き上げたときの反応:さくらちゃん
抱き上げようとすると短く威嚇音を出し、後ずさり、軽くハリを立てて抵抗します。抱き上げられたあとも逃れようと鼻先や手足でほどほどに抵抗します。