ケージ「シャトルマルチ70」を使い続ける9つの理由

ハリんちではこれまでずっと三晃商会のケージ「シャトルマルチ70」（またはR70）をメインに使ってきました。振り返って考えてみたところ、その理由が9つあったので紹介したいと思います。

1　幅60cm程度のタイプはいくつもあるが狭いと感じていた

ルーミィ60 ベーシック

ハリんちはブリーダーという立場上、量産品かつコスト重視で用品を選んでいます。そのため、ここでは10,000円以上のものやオーダーメイド品は取り上げません。
その縛りの中で考えたときに、まずそもそもハリちゃん用の市販ケージは選択肢が少ないなあと思っています。

市場としてはハリネズミ用は幅5～60cm程度からという位置付け。三晃商会、マルカン、ジェックスが6,000～8,000円程度のケージをラインアップしています。
ですが、これらのケージはハリんちとしてはオススメしません。圧倒的に狭く、ハリちゃんが快適に運動できる30cm径の回し車が入れられません。
別記事で「ハリネズミ用」を謳う小さめのケージをレビューしています。

小さいケージはどのくらい小さい？その1「ルーミィ60 ベーシック」

小さいケージはどのくらい小さい？その2「マルチプレイス」

ハリんちでは、ギリギリ快適な暮らしができる最低ラインのサイズは幅70cm超だと考えています。製品で言えば「シャトルマルチ70」以上、ということになります。

2　透明なケージには手ごろな幅70cm以上の市販品がない

「シャトルマルチ70」の弱点はベーストレイ（下部プラパーツ）の色。不透明なので、ハリちゃんの様子をつぶさに観察したい場合には、アクリルケージやガラスケージのほうが適しています。

ですが、リーズナブルな幅70cm以上の市販品がないのです。大きかったらなんぼでも買うのに、と思うのは幅62cmの「ルーミィ 60 ベーシック」（三晃商会）と、幅58cmの「グラスハーモニーマルチ600」（ジェックス）。これの幅70cm超バージョン、ぜひつくってほしいです。

3　軽い＆パーツ外しが簡単でメンテナンスしやすい

大きいサイズで探していると、数万円のアクリルケージに目移りすることがあります。ハリんちにも木枠の骨組みでアクリル板をはめたケージが1台あるのですが、パーツを外せませんし、ケージ自体も重いです。見た目はとてもいいのですが、メンテナンス性が悪いと言わざるをえません。

シャトルマルチはその逆で、軽くてパーツを外しやすく、メンテナンス性が高いです。
ハリちゃんはとにかくよく汚します。毎日のお掃除が欠かせない動物なので、メンテナンス性の高いケージを選ぶのが得策です。

4　回し車をケージワイヤーに固定できる

シャトルマルチは上部がワイヤーパーツになっているので、ワイヤーへの取り付けが可能な「サイレントホイール フラット 30」（三晃商会）や「静音ホイール31」（マルカン）をワイヤーに固定できます。
メリットは、床に置くタイプの回し車と違って、回し車がケージ内で動いて事故が起きないことです。デメリットもあります。回し車を回しているときの騒音がワイヤー越しに出てくるため、床置きよりもうるさい可能性があることです。

別記事で上記回し車についてレビューしています。

サイレントホイール フラット 30 レビュー | オススメ！ハリネズミの定番回し車の後継品

「静音ホイール 31」レビュー：定番の「サイレントホイールBIG」と本気で比較

5　立ち上がって顔を出したところでコミュニケーションが取れる

シャトルマルチ70のベーストレイは高さ15cmなのですが、床から10cmのところに小さい段差があります。さらに、上部ワイヤーパーツの前面扉を開けると、ワイヤーの高さ2cmが加わって高さ17cmのところに入口があるという状態になります。

ポイントはベーストレイの段差で、ハリちゃんはここに前脚を引っかけて体を起こし、前面扉のワイヤー部分に前脚を移して立ち上がって外をのぞき見してきます。さらに戦闘モードになると、ベーストレイの段差に後ろ脚を乗せて、入口から半身を乗り出してきます。

この様子のかわいらしさはもちろん、これを利用してハリちゃんとコミュニケーションを取れます。ハリちゃんは上から近づかれるのが苦手ですが、ハリちゃんが立ち上がってくれれば人間はハリちゃんが怖がらない下からのアプローチが可能です。おやつ片手に立ち上がってきた子とふれあうことで、人慣れトレーニングにもなると思います。

6　上部ワイヤーパーツは空気が通りやすい

アクリルケージの場合は、天井に通気用のメッシュが入ったアクリルがはめてあったりと通気は上からという構造が多いと思います。
シャトルマルチは上部がワイヤーパーツなので天井に加え前後左右が通気エリアになります。夏場は熱気が籠もらないですし、冬は上から毛布などをかければ保温できます。

ハリんちでもアクリルケージを使ったことがあり、通気性や保温性について過度に気にする必要はないと思っていますが、アクリルのほうが少しにおいが籠もる感じはありました。

7　ケージを置く幅90cm程度のメタルラックは安価で入手しやすい

多頭飼いはもちろん単独飼育でも、ハリちゃんをお迎えする方がいちばん頭を悩ませるのが「ケージの置き場所をどうするか」でしょう。

ハリんちでは、紆余曲折はあったものの、このメタルラックに落ち着きました。これは幅91×奥行き46×高さ178.5cmで棚板5枚付き、1台約5,000円です。

理由は3つあります。ひとつは、このくらいのサイズのラックは複数メーカーから安く販売されていること。これより大きいものになると、かなり値段が上がります。パーツ単位で買って組み立てる方法もありますが、それもコストがだいぶかかります。

ふたつめは、シャトルマルチR70（幅71×奥行き44cm）より幅が20cm、奥行き2cm長くて「ちょうどいい」からです。掃除用具やおやつなどを脇に置いておくのに便利です。

3つめは、高さを自由に調節できる点です。ハリんちでは、5枚ある棚板のうち4枚使っていて、一番上、50cm下、48cm下、48cm下に取り付けています。シャトルマルチを3台置いて、上には荷物、下（床から高さ36cm）は部屋んぽスペースにしています。

下を部屋んぽスペースにしたのは最近になってですが、限られたスペースを有効活用できるのでおすすめです。

8　使っていないベーストレイを重ねて保管できる

特に多頭飼いに便利なのが、ベーストレイを重ねられる点です。リニューアルしたR70ではさらにワイヤーも折りたたんで保管できるようになったので、さらに保管スペースが削減できます。

9　簡単なDIYで横に連結して広くできる

最後はちょっとイレギュラーで万人におすすめできることではありませんが、やってみて悪くなかったので紹介します。

シャトルマルチの上部ワイヤーパーツを使わずに、ベーストレイだけを2台横に並べて、間にベーストレイと同程度（15cm）の高さの台を置いて、「ペットナチュラルバー M」（サカイペット産業）で橋をかけて広いケージに改造しました。ホイールはスタンドに立てて置き、落下対策として正面にダンボールを立てました。

ケージワイヤーがないと春秋冬の温度管理が難しくなるので、夏だけの限定レイアウトでしたが、ケージワイヤーがないだけでコミュニケーションは取りやすいし掃除もしやすいしで、なかなか気に入っていました。

動画解説（ややダイジェスト）もあります

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