ハリネズミの病気と「保険」|2社の保険商品に入っていたらどうなった?

前回、ハリんちメンバーの医療費とその内容についてをまとめて紹介しました。それを受けて、「保険」について考えます。今回は、アニコムの「どうぶつ健保はっぴぃ」と日本アニマル倶楽部の「プリズムコール うさぎ等小動物プラン」という2社の保険商品の簡単な紹介をしつつ、ハリんちが過去に通院・手術でかかった費用が“もし保険に入っていたら”どうなったのか、検証してみたいと思います。

前編はこちら。
ハリネズミの「病気」と保険|ハリんちの通院実績と内容ご紹介 まずは「どうぶつ健保はっぴぃ」から。

どうぶつ健保はっぴぃ(アニコム損害保険)

参考 商品一覧アニコム損保ホームページ

保険商品データ抜粋と損益分岐点試算

はっぴぃ70%プラン(支払割合 70%)

年払月払損益分岐点(月払時、1年の医療費総額に対して)
34,680円3,180円54,514円

3,180×12=38,160円(月払時の年間保険料)が保険金として支払われたところが損益分岐点。つまり、1年分の医療費が38,160÷0.7=約54,514円以上になると、保険のメリットがでてきます。

支払限度額限度日数
通院1日あたり最高14,000円1年間20日まで
入院1日あたり最高14,000円1年間20日まで
手術1回あたり最高140,000円1年間2回まで

はっぴぃ50%プラン(支払割合 50%)

年払月払損益分岐点(月払時、1年の医療費総額に対して)
25,200円2,310円55,440円

2,310円×12=27,720円、これが月払時の年間保険料。「70%」と同様に計算して27720÷0.5=55,440円、これが損益分岐点です。

支払限度額限度日数
通院1日あたり最高10,000円1年間20日まで
入院1日あたり最高10,000円1年間20日まで
手術1回あたり最高100,000円1年間2回まで

プラン共通のデータ

保険金の支払対象外
避妊手術
予防目的の診療費(マダニの寄生予防、駆虫等の治療目的で予防薬を使用する場合であっても、持ち帰りは保険の対象外となります)
健康診断費用
症状を伴わない血液検査・糞便検査費用等

この保険のポイント

まず大事なのは、提携ペットショップ等動物取扱業者からお迎え時に契約できる商品だということ。そのため、2歳以前の若いうちは(利用頻度が低くなりがちなので)保険料が高くつく可能性があります

もう1点、「支払対象外」の避妊手術、ダニ予防、健康診断などはよく聞く通院理由だったりしますので、ここが対象外なのは残念です。

損益分岐点の金額から考えると、その1年、ハリネズミちゃんが大きな病気をしなければ、保険料のほうが高くつくけれども、大きな病気をした場合にはメリットが出てくる…となります。

ハリんちの診療実績でシミュレーション

きょうちゃんの場合

詳細は前編に書いてありますが、きょうちゃんは1歳2カ月~2歳3カ月まで、通院・入院・手術で171,623円かかっています。お迎えしたのが2カ月の時なので、仮に「はっぴぃ」に加入していたら、少なくとも2カ月~2歳3カ月までの25カ月という期間になります。
この条件で計算をしてみると、「はっぴぃ70%」では19,604円の黒字、「はっぴぃ50%」では4,038円の赤字となりました。

はっぴぃ70%」に加入していた場合、ひとまず1日の支払限度額を無視した自己負担金額は、
171,623(請求費用)+79,500(25カ月分の保険料)ー120,136(保険支払額)=130,987円。40,636円の黒字(得)となります。
ここから、通院・入院の支払限度額(1日14,000円)を超えた日が少なくとも2日間、超過額が21,032円あったので、
40,636ー21,032円=19,604円の黒字となりました。

はっぴぃ50%」の場合、1日の支払限度額を無視した自己負担金額は、
171,623(請求費用)+57,750(25カ月分の保険料)ー85,812(保険支払額)=143,561円。28,062円の黒字(得)です。
ここから、通院・入院の支払限度額(1日10,000円)を超えた日が3日、超過額が32,100円あったので、
28,062ー32,100円=△4,038円の赤字(損)です。

三太郎くんの場合

三太郎くんについても詳細は前編または
ハリネズミを診てくれる動物病院リスト:大阪市近郊編 をご確認ください。2カ月でお迎えして治療が終わる2歳11カ月までの33カ月間、加入していたと仮定します。
計算結果、「はっぴぃ70%」では20,103円の赤字、「はっぴぃ50%」では21,410円の赤字となりました。

はっぴぃ70%」の場合、1日の支払限度額を無視した自己負担金額は、
119,664(請求費用)+104,940(33カ月分の保険料)ー83,765(保険支払額)=140,839円。△21,175円の赤字(損)です。
限度額の超過は1日、1,072円あって、
ー21,175ー1,072円=△20,103円の赤字(損)です。

はっぴぃ50%」の場合は、1日の支払限度額を無視した自己負担金額は、
119,664(請求費用)+76,230(33カ月分の保険料)ー59,832(保険支払額)=136,062円。△16,398円の赤字(損)です。
限度額の超過は同じく1日、5,012円あって、
ー16,398ー5,012円=△21,410円の赤字(損)です。

健太郎くんの場合

きょうちゃんと三太郎くんはどちらも手術をしていますが、健太郎くんは通院・投薬のみです。こういう子の場合どうでしょうか。
2カ月でお迎えして2歳8カ月まで、30カ月加入していたと仮定します。
計算結果、「はっぴぃ70%」では78,185円の赤字、「はっぴぃ50%」では57,003円の赤字となりました。

はっぴぃ70%」の場合、
24,593(請求費用)+95,400(30カ月分の保険料)ー17,215(保険支払額)=102,778円。△78,185円の赤字(損)です。
限度額の超過はありません。

はっぴぃ50%」の場合は、1日の支払限度額を無視した自己負担金額は、
24,593(請求費用)+69,300(30カ月分の保険料)ー12,297(保険支払額)=81,596円。△57,003円の赤字(損)です。
限度額の超過はありません。

元気くん・蕾ちゃんは通院・投薬が1度だけですので割愛します。

シミュレーション結果

ハリんちメンバーという狭い範囲内でのシミュレーションなので、あくまで例として見てください。
ひとまず、通院実績から見る限りは、通院と投薬ぐらいであれば保険は損で、手術自体のサポートは黒字ですが、その手前の検査(通院)で支払限度額を超過して、結局はプラマイゼロに近い結果になっています。

とはいえ、お迎えした子が健康に過ごしてくれるか、運悪く手術が必要な病気にかかってしまうかは飼い主がどうこうできる問題ではありませんので…。
健太郎くんのシミュレーションを参考に、約3年分で6~8万円、安心料として掛け捨てしていくというのも、立派な選択のひとつだと思いました。

プリズムコール うさぎ等小動物プラン(日本アニマル倶楽部)

参考 うさぎ等小動物プランプリズムコール公式サイト

保険商品データ抜粋と損益分岐点試算

注意
見やすいように先の「はっぴぃ」と表記・保障内容の抜粋度を揃えていますが、詳細は必ず公式サイトでご確認ください。

グリーンプランII

年払月払損益分岐点(月払時、1年の医療費総額に対して)
46,560円4,230円50,760円
支払限度額限度日数
通院1日あたり最高5,000円1年間60日まで
入院1日あたり最高10,000円1年間60日まで
手術1回あたり最高90,000円1年間2回まで

オレンジプランII

年払月払損益分岐点(月払時、1年の医療費総額に対して)
40,400円3,670円44,040円
支払限度額限度日数
通院1日あたり最高4,000円1年間30日まで
入院1日あたり最高8,000円1年間30日まで
手術1回あたり最高60,000円1年間2回まで

ブループランII

年払月払損益分岐点(月払時、1年の医療費総額に対して)
24,940円2,270円27,240円
支払限度額限度日数
通院1日あたり最高3,000円1年間20日まで
入院1日あたり最高5,000円1年間20日まで
手術保障なし

ホワイトプランII

年払月払損益分岐点(月払時、1年の医療費総額に対して)
21,080円1,910円22,920円
支払限度額限度日数
通院保障なし
入院1日あたり最高10,000円1年間30日まで
手術1回あたり最高150,000円1年間2回まで

プラン共通のデータ

保険金の支払対象外
妊娠、出産、早産、流産、帝王切開の症例処置または予防措置費用
歯削(歯切)および歯石除去並びに歯肉、歯牙、歯周病、不正咬合等の歯に係る一切の歯科医療措置
ノミ、ダニの予防措置費用
健康体に施す予防措置費用
健康体に実施する健康診断・検査費用(体調不良等の症状があり、診断名を特定するための検査費用はお支払いいたします。)
フード(療養食、健康食品、サプリメントを含みます)の購入費
シャンプー、トリミング用品等の購入費
よくあるご質問(重要な質疑抜粋)
Q. 「子宮蓄膿症」と診断され避妊手術が必要となりました。「避妊手術」は保障対象外になっていますが、保障はされますか?
A. オスの「去勢手術」同様、病気治療のために獣医師様が必要と認めた場合は「避妊手術」も保障対象となります。

この保険のポイント

プリズムコール」は、飼い始めてからでも加入OKで、ハリネズミの場合は満4歳未満が加入できます。ここはいちばん大きいメリットです。(ハリんちが経験・見聞きした範囲では)ハリネズミちゃんの寿命の平均値はおそらく2歳半~3歳の間のように思いますので、4歳まで加入できるのはうれしいです。

また、先に検証した「はっぴぃ」のほうが、かかった医療費の50%~70%を保障するのに対して、こちらは医療費の100%を保障するので、1日の限度額は少なめに設定されています。

この保険は4つのプランがあって一見複雑です。損益分岐点から考えると、「ホワイト」がいちばんお得に見えますが、通院の保障がありません。かといって、その上の「ブルー」にすると、今度は手術での保障がありません
ハリネズミの場合は、費用のバランスが通院と手術に偏りがちなので、検討するのであれば「グリーン」か「オレンジ」なのかな、とハリんちは思います。

保障区分について、「入院」と「手術」はセットで適用されることもあります(電話で確認済みです)。つまり、手術のために入院した場合は、「グリーンプランII」であれば最大10,000+90,000=100,000円の支払いとなります。

なお、保険の支払い対象外に「歯周病が含まれていて、ハリんちでは健太郎くんが歯周病治療で通院しており、この費用には保障がないということになります。

ハリんちの診療実績でシミュレーション

きょうちゃんの場合

中途加入ができるので、ここでは1歳~2歳3カ月まで、15カ月間加入していたと仮定します。
この条件で計算をしてみると、「グリーンプランII」では56,698円の黒字、「オレンジプランII」では35,110円の黒字となりました。

グリーンプランII」に15カ月加入していた場合、月払の保険料が63,450円、医療費と保険適用分の計算は以下のようになりました。
・通院:7,236円→保険分5,000円→自己負担2,236円
・入院:30,024円→保険分10,000円→自己負担20,024円
・入院+手術:92,988円→保険全額支払
・通院:540円→保険全額支払
・通院:1,620円→保険全額支払
・通院:13,068円→保険分5,000円→自己負担8,068円
・通院:19,008円→保険分5,000円→自己負担14,008円
保険適用額合計 120,148円ー月払保険料 63,450円=+56,698円

続いて、「オレンジプランII」に15カ月加入していた場合は、月払の保険料が55,050円、医療費と保険適用分の計算は以下のようになりました。
・通院:7,236円→保険分4,000円→自己負担3,236円
・入院:30,024円→保険分8,000円→自己負担22,024円
・入院+手術:92,988円→保険分68,000円→自己負担24,988円
・通院:540円→保険全額支払
・通院:1,620円→保険全額支払
・通院:13,068円→保険分4,000円→自己負担9,068円
・通院:19,008円→保険分4,000円→自己負担15,008円
保険適用額合計 90,160円ー月払保険料 55,050円=+35,110円

三太郎くんの場合

ここでは2歳~2歳11カ月まで、11カ月間加入していたと仮定します。
計算結果、「グリーンプランII」では57,278円の黒字、「オレンジプランII」では52,802円の黒字となりました。

グリーンプランII」に11カ月加入していた場合、月払の保険料が46,530円、医療費と保険適用分の計算は以下のようになりました。
・通院:7,560円→保険分5,000円→自己負担2,560円
・通院:15,012円→保険分5,000円→自己負担10,012円
・通院:3,888円→保険全額支払
・通院:3,996円→保険全額支払
・手術:66,636円→保険全額支払
・通院:3,996円→保険全額支払
・通院:7,236円→保険分5,000円→自己負担2,236円
・通院:3,564円→保険全額支払
・通院:6,048円→保険分5,000円→自己負担1,048円
・通院:864円→保険全額支払
・通院:864円→保険全額支払
保険適用額合計 103,808円ー月払保険料 46,530円=+57,278円

続いて、「オレンジプランII」に11カ月加入していた場合、月払の保険料が40,370円、医療費と保険適用分の計算は以下のようになりました。
・通院:7,560円→保険分4,000円→自己負担3,560円
・通院:15,012円→保険分4,000円→自己負担11,012円
・通院:3,888円→保険全額支払
・通院:3,996円→保険全額支払
・手術:66,636円→保険分60,000円→自己負担6,636円
・通院:3,996円→保険全額支払
・通院:7,236円→保険分4,000円→自己負担3,236円
・通院:3,564円→保険全額支払
・通院:6,048円→保険分4,000円→自己負担2,048円
・通院:864円→保険全額支払
・通院:864円→保険全額支払
保険適用額合計 93,172円ー月払保険料 40,370円=+52,802円

健太郎くんの場合

ここでは2歳~2歳8カ月の8カ月間加入していたと仮定します。
計算結果、「グリーンプランII」では27,802円の赤字、「オレンジプランII」では23,322円の赤字となりました。

グリーンプランII」に8カ月加入していた場合、月払の保険料が33,840円、医療費と保険適用分の計算は以下のようになりました。
・通院:9,267円→歯肉炎治療のため保険適用外→自己負担9,267円
・通院:8,424円→歯肉炎治療のため保険適用外→自己負担8,424円
・通院:864円→歯肉炎治療のため保険適用外→自己負担864円
・通院:1,988円→保険全額支払
・通院:1,998円→保険全額支払
・通院:2,052円→保険全額支払
保険適用額合計 6,038円ー月払保険料 33,840円=△27,802円

続いて、「オレンジプランII」に8カ月加入していた場合、月払の保険料が29,360円。医療費と保険適用分の計算は上記とまったく同じです。
保険適用額合計 6,038円ー月払保険料 29,360円=△23,322円

元気くん・蕾ちゃんは通院・投薬が1度だけですので割愛します。

シミュレーション結果

中途加入ができるので、飼い始めて「この子は体調を崩しやすいな」と気付いてから加入するのがいいと思います。
とはいえ、手術を行っていない健太郎くんの場合は赤字なので、損益分岐は「手術をするかしないか」で分かれる、と言ってよさそうです。
手術をするような病気の場合、手術前後に検査や投薬治療でもお金がかかりますからね…。

中途加入ができる「プリズムコール」が有利だけど…

お迎え時に加入する「はっぴぃ」と中途加入できる「プリズムコール」。シミュレーション結果から見ると、やはり1歳や2歳など、節目となるところで加入できるプリズムコールが有利、という結果になりました。

特に、手術が必要になる病気は年齢を重ねるに従って発症確率が上がることは間違いないので、ハリんちとしては、加入するなら「プリズムコール」をオススメしたいと思います。

ただし、「そもそも保険が必要かどうか」という話になると、ちょっと腕組みをして考え込んでしまいますね。手術が必要な病気にかかる子がどのくらいいるか…。ハリんちでは今のところ、成熟した子で計算して2匹/7匹の確率ですので。

また、(これはハリんちの実績だけで判断すべきことではないのかもしれませんが)連続して高額な医療費がかかるケース、たとえば、複数回鎮静して施術するような病気とか、ハリネズミちゃんの体力的にもありえるのかどうか…。

この点については、今後飼育していくなかで病院のお世話になったケースを随時共有し、情報をアップデートしていけたらと思っています。

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