部屋暮らし(床での飼育)―ケージ飼いとの違い

ハリネズミの部屋暮らし(床での飼育)―ケージ飼いとの違い

ハリネズミはケージで飼育するのが基本ですが、お部屋の床を飼育スペースにして、お部屋暮らし? 床暮らし? で飼うということもできなくはありません。ハリんちでも4匹でテストをしていますが、なかなか難しい面もあることがわかってきました。今回はケージ飼いとの違いから注意点、課題について記しておきます。

YouTube版もあります

テキスト版と内容はほぼ同じですが、お好きなほうをどうぞ。


YouTube動画は該当個所から途中再生されます

部屋んぽから部屋暮らしへの移行

部屋暮らし(床暮らし)しているハリネズミの咲ちゃんといちごちゃんのハウス
ハリんちが部屋暮らし(床暮らし)をテストしはじめたきっかけは部屋んぽです。部屋んぽを何回かさせていると、好きになりすぎてケージにいるときに外に出てこようとするようになった子がいたのです。もし部屋んぽが大好きな子なら、いっそのことケージより広いスペースで暮らす(=部屋暮らし)ことを検討してみてもいいと思い、部屋んぽ部屋をそのまま大きなケージみたいにしてしまうということでテストを始めました。

現在ハリんちの自宅(兼待機組のハリ部屋)では大吉くんとハリンちゃんが、バー店舗では咲ちゃんといちごちゃんが部屋暮らしをしています。

部屋暮らしについてはまだ研究中です
これより先、ハリんちでの部屋暮らし(床暮らし)の様子をお伝えしますが、まだ研究や試験運用の段階で、万人にオススメできるような、ハリちゃんに最適な環境になっていません。あくまで参考例としてご覧ください

部屋暮らしを検討する場合、3つほど注意点があります。

床暖房

部屋んぽから部屋暮らし(床暮らし)に移行する場合、秋~冬~春の温度管理には十分注意しましょう。床暖房が埋め込まれている家でなければ、床には電気毛布などを敷いて床暖房にします。
ハリんちで使用している電気毛布「広電 VWS401-B」

ただ、床に電気毛布を敷くと、床面がガタガタして微妙なので、ハリんちでは床→電気毛布→コルクマット→プラダン→ペットシーツという順に下から重ねて敷いて、なるべく床が平らになるようにしています。
床→電気毛布→コルクマット→プラダン→ペットシーツの順に重ねて敷く

すき間にゴミが溜まりやすい点に注意
まず、部屋暮らし(床暮らし)はケージよりもメンテナンス性が悪いことを知ってほしいと思います。上記のように複数のシートや布を重ねていると、どうしてもすき間にゴミが溜まりやすくなるので、ケージの掃除に比べて一手間、ふた手間増え、余分に手がかかります。
また、ケージの掃除はテーブルなどに乗せて掃除すれば立ったまま行えますが、床の場合はそうはいきません。かがんで掃除をするのはやりにくく、体力も使いますので注意が必要です。

すきま対策

床暖房に続いて温度管理についてですが、床近くの気温は低くなりがちで、すきま風の影響もより強く受けます。そのため、すきまを埋める対策が不可欠です。

ハリんちでは、ドアや引き戸の間にはすきまテープを貼っていますが、それだけでなく、引き戸の下のほうを覆うようにダンボールを貼って風が流れてくるのを防いでいます。
すきま風対策として引き戸を覆うように貼ったダンボール

また、フェンスの下に少しだけすき間ができてしまうので、そこを埋めるのと保温を目的として、プチプチ(エアキャップ)を床からフェンスにかけて貼っています。
ペットフェンスの下のすきま風対策として貼ったプチプチ(エアキャップ)

そのうえで、オイルヒーターをフェンス近くに置いて、気温を高く保つよう工夫しています。
ペットフェンスの近くに置いたオイルヒーター

すきま風対策のためには完全な囲いにするのがベスト
ハリんちではまだ実施できていませんが、すきま風を完全に防ぐには、すき間ができるフェンスを使うのではなく、衣装ケースを改造する、プラダンを折ってたらい型にするなど、下からの風をシャットアウトできる囲いにするのがベストだと思います。
もちろんそれに加えて床の冷え対策や囲いの外からの風対策は必要になります。

日差し対策

部屋んぽエリアをつくる時点で、ケージよりもスペースが広くなると思うので、うっかり日が差す場所になっていることもあります。日中に部屋んぽエリアがどの程度日差しを浴びるかを確認して、なるべく日陰になるところに寝床(ハウスなど)を置いて、暗いところで眠れるように配慮しましょう。

ハリんちでは、ハリンちゃんのお部屋左方向から西日が射すので、その位置にダンボールを置いて直射日光を防いでいます
ハリネズミの部屋にダンボールを置いて直射日光を防いでいる

バー店舗にいる部屋暮らし組の様子

ハリネズミバー ハリんち店舗内「お座敷席」
ハリんちでは実証実験も兼ねて、バー店舗でも「お座敷席」として慎重に部屋暮らし(床暮らし)をテストしています。

ここには咲ちゃんといちごちゃんの2匹が一緒に暮らしています。温度管理にかなり手間取ったのですが、現在のところ、オイルヒーター2台でお部屋を挟むようにして温めつつ、床は全体的に電気毛布を2枚敷いて、なんとかお部屋内の温度が朝晩でも25℃を下回らない状態にできています。
ハリネズミバー ハリんち店舗内「お座敷席」の設備

この2匹は元々自宅でも一緒に部屋暮らしをしていたことと、人なつっこい子たちだったことから、お店でも以前と同じようにと考えて、床にお部屋をつくりました。

ただ、やはり自宅とは微妙に環境が異なります。連れてきて数日はずいぶんおとなしかったです。

また、最初はオイルヒーター1台と電気毛布1枚で環境をつくっていたのですが、ケージ(シャトルマルチ R70)約4台分の敷地です、朝方、お店の室温が20℃を下回ると、お部屋の中も22℃ぐらいまで冷え、寒かったのでしょう、夜も遊ばず、ハウスの中でうんちをしてしまっていた日がありました。

これはいけないということで、オイルヒーターをもう1台、電気毛布ももう1枚追加して、さらにフェンス下のすき間を埋めました

2匹がお店で部屋暮らしを始めたのが10月12日、自宅で暮らしていたときと同じぐらい活発になったと感じ始めたのは11月下旬から。人なつっこい子でも、環境の変化に慣れるには相応の時間がかかることがわかりました。
咲ちゃん(左)といちごちゃん(右)

執筆現在は12月上旬、これから1月、2月も目が離せません。念のため追加暖房の構想も立ててあります。毎日慎重に様子を確認しながら、環境を整えていく予定です。

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