ハリネズミだって気分転換したい!ケージの中で遊ぶばかりでマンネリ化してしまわないように、お部屋で散歩できるようにしてみましょう。新しい場所を興味津々でスンスンして、小走りで行ったり来たりしてくれたら大成功です。
目次
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テキスト版と内容はほぼ同じですが、お好きなほうをどうぞ。
部屋んぽの効果
ハリネズミは基本的にケージで飼うのが理想的です。これは、逃げるのを防ぐためだけでなく、臆病な性質なので、安心して過ごせる場所があるほうがハリネズミの精神衛生上いいからです。
その一方で、一度部屋んぽをさせてみると、ハリネズミが「探検好き」だということがわかります。あちこち行ったり来たり、いろんな場所を登れるか、もぐれるか試し、新しいにおいのするものを見つけたらアンティング……。とっても忙しいです。その姿を見ると、ケージ暮らしだけでは刺激が少なくなってしまうんだなと実感します。
ただし、性格によってはすぐに部屋んぽを楽しんでくれない子、まったく部屋んぽしない子もいます。適当に隅っこに行って丸まってやり過ごそうとしたら、いきなり知らない場所に来てビックリし、防御反応が出てしまったと考えて、無理強いはしないことです。おやつなどで気を引いて抱っこしてケージに戻してあげましょう。
ハリんちではまったく部屋んぽを楽しまない子はいませんが、初めてのとき防御反応を示す子は数匹いました。そういう子も2~3回目の部屋んぽで慣れるようで、イキイキと探検するようになりました。
部屋んぽはケージでの飼育よりも気を使う
部屋んぽには事前準備が必要です。
適当に人間の居住空間に放してしまうと、たとえば狭くてホコリだらけのところに入ってしまった子を無理に戻す、ケガをしてしまう危険性がある場所にもぐり込んでしまうなんてこともありえます。
たとえば、冷蔵庫の裏とか…。
もぐった場所から無理矢理ハリちゃんを出すと、せっかくの機会が信頼関係に傷がついただけ、なんてことになりかねません。
また、季節によっては同じ室内でも寒い場所があるはずです。部屋の広範囲を均一に温度管理するのは現実的ではありませんし、そういう意味でも、「部屋んぽエリア」をつくるのが正解だと思います。
そのほか、人間が暮らすぶんには問題なくても、部屋の中には怪しい部分がいくつかあります。
- 部屋の中にあるものでなめても危険なものはないか
- 古い木の柱はないか(ニスが剥がれていると、有毒な塗料をなめてしまう危険性があります)
- 乗り越えたりこじ開けたりして逃げられる部分がないか
- 電源コンセントなどが露出している場所がないか(念のため)
部屋んぽの準備
では、部屋んぽの準備というか、「部屋んぽ部屋」をつくっていきましょう。必要なものを優先順位順に書き出します。
- 部屋んぽエリアを区切る仕切り(高さ20cm以上で倒れないもの)
- ペットシーツ
- スタンドに立てたホイール
- お水と砂場
- 障害物・登る・もぐる&くぐるができるもの
部屋んぽエリアを区切る仕切り
絶対必要なものは仕切りです。ハリちゃんがもぐったり隠れたりできそうなすき間がまったくない部屋であれば仕切りはいらないですが、そういう部屋がない家庭がほとんどでしょうし、床にうんちやおしっこをしますので、後片付けの手間を考えると、仕切りを用意しておくほうがいいと思います。
ハリんちでは、自分で形を自由に変えられる、こちらの組み立て式のペットフェンスを使っています。
35×35cmでハリちゃんが登れない高さですし、箱状に組むこともできるので、簡易ケージ的にも使えます。
ペットシーツ
部屋んぽさせる場所にはなるべくペットシーツを敷くことをオススメします。どこにでも何度でもうんちとおしっこをして汚すからです。
また、使うペットシーツはなるべく大きいサイズのものを並べて敷くのがオススメです。小さいものを並べると、すぐもぐってぐちゃぐちゃにしてしまったり、せっかく敷いたのにズレて床にうんちが…おしっこが…となりがちです。
ハリんちでは、Amazonブランドでいちばん大きいサイズ、スーパーワイド(90×60cm)を使っています。
スタンドに立てたホイール
ふだんはケージに入れてあるホイールも、部屋んぽエリアに出してあげましょう。ケージワイヤーに取り付けて使っている場合は、スタンドに立てて置いてあげます。
余談ですが、ハリんちでは過去、ケージワイヤーにホイールを直接取り付けて使うので、スタンドはいらなくなり、邪魔だということで捨ててしまっていましたが、部屋んぽで使います。邪魔だなと思っても取っておきましょう。
もう1点、スタンドに立てたホイールは、少し登り口が高くなってしまうケースが多いと思います。そこで、登り口には何か足場を置いてあげるのがオススメです。少し広めで2cmぐらいの高さの台があればいいと思います。
ハリんちでは、プラダンを10枚ほど重ねて養生テープで側面を閉じつつ束ねたものを使っています。ほどほどにクッション性があり、軽く、水洗いもできて便利です。
お水と砂場
ハリちゃんは部屋んぽ中によくアンティングすると思います。アンティングするとやっぱり少し喉が渇くのか、お水があると水分補給をすることも多いので、ケージに置いてあるお水は部屋んぽエリアに出してあげましょう。
また、部屋んぽ中はよく走るためか、砂場でゴシゴシする回数も増えるように思います。お水と同じく、砂場も出してあげましょう。
障害物・登る・もぐる&くぐるができるもの
ハリちゃんはギリギリ通れるすき間の間をスルスル通って進むのも好きです。ジグザグに進めるように、小物入れやペットボトル(500でも2リットルでも)、小ぶりなゴミ箱などがちょうどいい障害物になります。いずれも、ハリちゃんがスンスンしたり登ろうとしても倒れない重さのものにしましょう。いろいろな障害物を置いてコースをつくってみてください。
また、ハリちゃんは登れるところは登るのも好きです。ただ降りるだけなのになぜか登りたがりますね(笑)。高さ15センチぐらいまでの、背の低い台、使い終わったティッシュペーパーの箱、お菓子の外箱などが使えそうです。
ハリんちで使っている「ペットナチュラルバー」も登るのに最適でオススメです。Sサイズ~Mサイズぐらいがちょうどいいと思います。
ちなみに、Mサイズであればハウスにもなりますし、くぐる場所作りにも使えます。
そしてハリちゃんはもぐる、くぐるも大好きです。ここぞとばかりに、ケージに入れられない大きさのおもちゃを置いてみてはどうでしょうか。
ハリんちに限らずよく見かけるのは、ホームセンターで手に入る排水・通気用の塩ビパイプ(塩ビ管)です。直径10cm(=100φ)のものがちょうどいいと思います。もちろんハリんちでも使っていて、引き寄せられるようにくぐりますね。
円柱なので揺らさないように左右に何か置いて挟むのもよし、あえてそのまま置いて、入ってグラグラ揺れているかわいらしい様子を楽しむのもよし…。なかなかいいアイテムです。
そのほか、蛇腹トンネルや毛布、背の低いかごなんかも使えますね。あるいは、小さいダンボールに穴を開けて通れるようにしてもいいかと思います。
ハリんちでは編みかごを置いていますが、ホントにみんな好きみたいで、登って中に入ってスンスンしています。
このうち、蛇腹トンネルは中に入ったまま居心地がよくて出てこないというハプニングが起こることもあります。そうなったら、無理に引っ張り出さず、おやつで外におびき寄せて出てもらいましょう。
あれこれ考えてつくったコースでいとしいハリちゃんが遊んでくれたなら、飼い主冥利に尽きるというものです。
部屋んぽ部屋づくりのコツ
部屋んぽをしている子たちを見ていて気付いたのは、意外と「まっすぐ長い道」が好きみたいだということです。端っこに行って探検したあと、ダッシュして反対側に行ってまた探検、といった行動を取ることが多いのです。
そのため、部屋んぽ部屋の形は「横長」で、障害物があるところと何も置いていないまっすぐな道の両方を用意するのがいいのではないかと思っています。
部屋んぽに最適な時間帯は?
部屋んぽしてもらう時間帯は当然活発になる夜がオススメです。しかも、ごはんを食べる前がいいでしょう。
理由としては、おなかが空いているときのほうが活発に遊びますし、部屋んぽ中にごはんがほしいというアピールをしてくることがあって、そういうときはハリちゃんとふれあったり遊んだりできるかもしれないからです。
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部屋んぽの発展系、部屋暮らし(床暮らし)について、ハリんちで現在やっていることを別の記事で紹介しています。
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