ハリんちでは、蕾ちゃんの出産23日後に、姫ちゃんも4匹出産しました。今回、元気くんと姫ちゃんは2回交配をしていて、飼い主が最初の交尾は失敗したものと思い込んだことから、妊娠の兆候を軽く見て出産準備が十分に行えませんでした。この点、飼い主として反省をしつつ、交尾~出産を考えている方々の参考になればと思い、今回の経緯を含めて、妊娠の兆候について書き残しておきます。前半は交尾の観察記、後半が出産時の記録と兆候についての振り返りです。
目次
元気くんと姫ちゃんが妊娠に至るまでをまとめた記事はこちら。
元気くん直伝、女の子(姫ちゃん)の口説き方 前編-ハリネズミの子育て&成長日記18(シーズン1.5)- 元気くん直伝、女の子(姫ちゃん)の口説き方 後編-ハリネズミの子育て&成長日記18(シーズン1.5)-
1回目の交尾は3/17、2回目の交尾は10日後の3/27
1回目の交尾については、上記記事に記載しています。後編最後に書きましたが、姫ちゃんが交尾後すぐにうんちとおしっこをしていて、一緒に精子らしきものが出てきていたようで、交尾が失敗したと思い込んでいました。
そのため、リベンジということで10日後の3/27に再び交配させています。
ハリネズミの交尾の流れ
3/27、2回目の交尾の様子を撮影してあります。前回の記事で紹介した交尾の様子動画よりもさらに詳細がわかる状態で、約13分ノーカットです。
求愛の鳴き声~メスの上に乗るまで
最初は元気くんが求愛の鳴き声を出しながら近寄りますが、その様子は撮影できていません。動画は、2~3分間の求愛(鳴き声)後、具体的な交尾行動に入るために、元気くんが姫ちゃんの後ろに回る様子からスタートしています。
元気くんは、いったん後ろに回ったら、姫ちゃんの背中のハリをかんで、姫ちゃんの背中に乗ろうとします(動画00:25頃)。このときは、まだ抵抗を見せつつも、元気くんが背中に乗って両前足を姫ちゃんの背中にかけると、姫ちゃんは観念したように静かになっていました。
挿入位置の調整~挿入後
元気くんは姫ちゃんの上に乗るとすぐに、ペニスを出して姫ちゃんに挿入の受け入れを促します(動画00:36頃)。このとき、元気くんの腰が小刻みに動くのが特徴です。姫ちゃんもおしりを少し上に向けて、受け入れの準備をします。
この一連の行動がそこそこ長く(この動画では約3分あります)、何度か呼吸を合わせてチャレンジするようです。
ペニスの先が姫ちゃんの入口に届いた瞬間に、元気くんは体勢を変えて深く挿入し、姫ちゃんの背中を深くかんで抑え、腰を大振りに動かすようになります(動画03:48頃)。
挿入してからも位置調整を行い、さらに深く挿入するようにしているようです。
交尾後
そして射精を迎えます(動画11:44頃)。このときは、挿入から8分ほども交尾していたということになります。
射精後、元気くんは自分ではあごがうまく動かせないのか、姫ちゃんの背中をかみ続けています。姫ちゃんが移動して引き離すようにします(動画12:27頃)。
そして、離れたあとは、元気くんが姫ちゃんのおしりの匂いをかぎにいきます(動画12:46頃)。この様子は、姫ちゃんを気遣っているようにも見えます。
思い込んでいた出産予定日は5/1~2、実際は4/21に出産
前回(3/17)の交尾と今回の交尾を見比べてみると、今回は交尾後すぐの排泄がなく、成功したなと思いました。今思えば、その思い込みが強すぎたわけですが、実は27日の時点でもう新しいいのちが誕生していたのですね…。
とにかく、ハリんちの思い込みによって、3/27から35~6日後、5/1~2あたりが出産予定日だということで、カレンダーに印がつけられたのでした。
そしてフタを開けてみれば、1回目の交尾(3/17)から35日後の4/21の早朝、飼い主が起床して、何気なく姫ちゃんのケージを覗いたときに、ケージのあちこちに赤ちゃん、合計4匹がいたのです。
この日姫ちゃんのケージには、育児用の(赤ちゃんたちが母親から離れすぎないようにある程度閉じた)ハウスを入れておらず、実際、赤ちゃんはケージの中でバラバラに佇んでいました。
これにはかなり焦りました。
とりあえず、入れていたホイールと砂場を取り外して、ケージの隅を掃除して、木製のスプーンで赤ちゃんたちをそこに集めました。
そして、育児用のハウスは用意がなかったので、蕾と赤ちゃん2匹が暮らしているハウスを拝借しようと、いったん移してみたのですが、蕾ちゃんは赤ちゃんを口でつまんであたふたし、姫ちゃんも他の子の匂いが強くするのか落ち着かず、1分ほどでハウスは元の蕾ちゃんたちのもとへ戻しました。
どうしよう、どうしよう…と考えた結果、“出産直前~出産後に環境を変えてはいけない”ということを思い出しました。「いきなりやってはいけないことをしてしまった!」と思いましたが、同時に、以前からケージに入れていた道具でなんとかしないと、と考えを変えました。
そして、砂場の横に設置してあった丸太ハウス(「ペットナチュラルバー Mサイズ」)を縦に置いてケージの隅を囲い、出入り口には赤ちゃんが飛び越えられない程度、15mmぐらいの高さのダンボールのバリアを置きました。
覚えておきたい妊娠の兆候4つ
今回、出産後に慌ててしまったことと、4匹中1匹が(おそらく)死産だったことから、このあと、目安となる産後14日を迎えるまで、飼い主的にかなりピリピリと張り詰めた気持ちで過ごしました。
そんな気持ちで過ごすなかで、もっとも反省したのは「妊娠の兆候に気付いていたのに、対応が後手に回っていた」ことです。
自戒を込めつつ、繁殖を考えている方々の参考になればと思い、妊娠の兆候について整理しておきます。
体重が増える
ハリネズミの妊娠に伴う体重増は微々たるもので、触ったぐらいではわからないこともあります。姫ちゃんの体重の推移を書き出してみました。
3/3 366g ―― 妊娠前
3/17 378g(+12g) ―― 妊娠前
3/28 405g(+27g) ―― 妊娠11日目
4/4 405g(+-0g) ―― 妊娠18日目
4/11 426g(+21g) ―― 妊娠25日目
4/18 473g(+47g) ―― 妊娠32日目
妊娠前でも10~20gぐらい増えたり減ったりするので、妊娠しているのかどうか、体重だけで判断しにくい部分があるのがわかってもらえるかと思います。
姫ちゃんの場合、3/3~3/28で39g増えているわけですが、これは単純に太ったような気がします(笑)。
ただ、妊娠25日目以降は一気に約70gほど増えていて、これは確実に赤ちゃんのぶんが上乗せされています。
けだるそうにうずくまることが増える
妊娠25日頃からでしょうか、眠るわけではなく、ケージの中で座り、どこを見るでもなくじっとしている時間が増えました。おそらく妊娠に伴う症状で、つわり的なものをじっと耐えていたのではないでしょうか。
ケージのお掃除を嫌がる
妊娠30日頃に入ると、ケージのお掃除のために人間が手を入れると威嚇したりあっち行け的な行動を取るようになります。母性本能が発動してきていたのでしょう。
おなかが張る
出産直前の兆候として、おなかがピンと張ります。
当時、妊娠していることはわかっていましたが、抱っこしておなかが張っていることに気付いたとき、「ああ、着々と出産が近づいているな」ぐらいにしか思いませんでした(反省)。実際はこのことに気付いた翌日に出産しています。
もし触って張りがわかるぐらいまでになっているのであれば、急いでケージ内を出産体勢に整えてあげるべき、と反省しています。
変化を慎重に観察することが大切だったと反省
ハリネズミちゃんも生き物ですので、日によって、タイミングによって機嫌がよかったり悪かったり、人間からは何をしているのか理解できない行動を取ったりします。
ですが、妊娠中の行動変化は出産という大事なイベントの前触れ。人間もしっかり見て、よい環境で出産できるように準備するのが飼い主というものです。産後に飼い主が慌ててしまわないためにも、しっかり反省していきます。
次回は産後2日目から20日目までの様子をまとめます。