ケージとケージの中に置く飼育用品について、ケージ内のレイアウト紹介と、今ハリんちで採用している飼育用品の解説&使っている理由をまとめました。飼育用品選びの参考にしてみてください。
目次
動画解説もあります
ハリんちのケージの中のレイアウト全体像
ケージ内に何を置いてどうレイアウトするかは、飼う側の好みが大きく影響する部分です。正直な意見として、必要なものがきちんと収まっていれば問題ないのかなと思います。
その前提で、一例としてハリんちのケージ内の飼育用品とそのレイアウトを紹介します。
まずは全体像をご覧ください(温度湿度計のみ未掲載)。
このレイアウトの意図
ハリんちでは回し車とハウスを前面扉からハリちゃんが見えるように配置していますが、これは撮影をしやすくするためと、ケージの中をいじらなくてもある程度ハリちゃんの状態が確認できるようにです。
回し車とハウスと砂場を置くとケージの中の60~70%は埋まってしまうので、住宅事情が許せばもっと大きいケージのほうがいいと思っています。
1点だけ、給水器は「なるべく回し車からは離れたところ」で「ケージ隅」に置くようにしています。回し車の前に置くと、すぐ水の中に(うんちがついた)足を突っ込んで水が汚れてしまうのです。
問題点:隅っこを通路にしたがる子がハウスと砂場を動かす
飼い主としては、各飼育用品はケージの端や四隅にくっつけて置きたくなると思います。ですが、ハリちゃんの中には端っこを通路にしたがる子もいます。ハリんちでも3~4名そういうタイプの子がいます。そういう子の場合、砂場やハウスを勝手に動かして自分の好みにするので、基本はそのままにしておきます。
機能性×コスト×利便性で選んだ飼育用品9点
ハリんちには現在、自宅・店舗合わせて14台のケージがあります。これまでいろいろなタイプの製品を試してきて、これからも新しいものやテストしたことのない製品は積極的に試していこうと思っています。
ひとまず、2020年7月時点でハリんちが「これでいこう」と選んだ9商品を、その理由と併せて挙げていきます。
1 ケージ:シャトルマルチ R70(三晃商会)
執筆現在のメインは旧製品の「シャトルマルチ70」第二世代ですが、現在入手可能なのは「R70」です。幅71cmのそこそこ大きめのケージを使用しています。
ケージの紹介は、書いていたらとても長くなってしまいました。「なぜこのケージを使うのか」と「リニューアル品のレビュー」をそれぞれ別記事にまとめましたので、ぜひそちらをご覧ください。
70cm幅のケージ「シャトルマルチ R70」レビュー ケージ「シャトルマルチ70」を使い続ける9つの理由2 回し車:サイレントホイール フラット 30(三晃商会)
現在のメインはこの30cm径のホイールで、旧製品の「サイレントホイールBIG」も使っています。また、「静音ホイール31」(マルカン)も4台使っています。
確かに、サイレントホイールには、正面から奥にかけて下り勾配の傾斜があります。これに慣れないハリちゃんもいる、ということでした。
3 ハウス:ペットナチュラルバー M(サカイペット産業)
ハウスはいろいろと使ってきましたが、市販品やオーダー品のハウスはどれもサイズが大きくてケージ内のスペースを圧迫してしまうんですよね。
というわけでたどり着いたのがこの商品です。登り降りができて、スペースに合わせて形を変えられるという点が気に入って、結局ほとんどの子にこれを使っています。
4 砂:Sand club ハリネズミ 消臭トイレ砂(ナチュラルペットフーズ)
砂はこれまでに12製品試してきましたが、粒が粗いゼオライトでホコリが舞いにくいこれに落ち着きました。
この砂の特長については別記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。
マルカンのハムスター用砂「固まらない砂」「キレイになる砂」レビュー ハリネズミの「砂」レビュー第3弾|ゼオライトの砂特集5 砂場容器:缶ラック350(キャンドゥ/イノマタ化学)
砂場容器はビン状のものも検討しました。ビン状のものは飛び散りが少ないというメリットはあります。ただ、ビンの中で舞ったホコリはハリちゃんに直撃してしまいますし、上が塞がっていると出入りがしにくいと思いました。
この容器は、入口は低く、奥は高くなっているので、砂浴びをしてもある程度飛び散りを防いでくれます。また、上を塞いでいないのでハリちゃんはアスレチック感覚で砂場を経由して別の場所に移動したりもできます。
容器の材質についても少し思うところがあります。ハリんちでは、砂場に入ると前脚で砂をかく子が多いのですが、このとき爪先を軽く研いでいるようなのです。
(あまりきれいではありませんが)この使い込まれた容器を見てください。爪先でだいぶ傷がつき、細かい傷におしっこや砂の破片が染みこんで、洗っても取れないぐらいになっています。事実、この写真はしっかり洗剤で洗浄した直後のものです。
そのため、ガラスなど硬くて傷が付きにくいものよりも、このプラスチック容器のようなやわらかめの素材のほうがいいと思い、この容器にしています。
6 床材:ごきげん快適マット(ジェックス)
床材もいろいろ試して13製品。結局は最初から使っていたこの紙の床材がメインになりました。理由はコストと「巣づくり」。ハリんちが日々観察している限り、ハリちゃんは床材を「巣づくりの材料」と思っているようです。
床材は「穴掘り用」に用意するという考え方も根強いですが、これは砂場があれば問題ないですし、巣づくりのほうが何倍も大切です。
それは、ハリちゃんの母親たちが教えてくれました。
出産育児に立ち会う中で、ほとんどの母親はこの紙の床材を利用して、床材で赤ちゃんの寝床の温度を調節したり、赤ちゃんたちが遠くに行かないようにバリケードをつくりました。
巣づくりをするのは母親だけではありません。男の子も女の子も、寝床の温度調節(風よけや光よけの意味もあるかも)のために、前脚でかき集めたり、くわえてハウスに運んだりしています。
店舗では2種類、別の商品を使っています。
まず、店舗で暮らす子たちのケージには同社「消臭ペーパーマット」を使っています。
同じく紙の床材なのですが、植物由来の消臭成分(ヤシ油抽出液)を混ぜてあるものです。確かに少し臭いが減ったと感じたので、多少コストは上がりますが、お客様が来る空間なので採用しました。
もうひとつは、テーブル席に設置してある展示用ハウスの床に敷いている「クルミの床材」(ビバリア)です。
これもコストが多少かかりますが、消臭効果と見た目の両面を考えて採用しました。
紙?広葉樹? 「床材」選びのポイント リタータイプの床材4製品をテスト! 紙の床材とどっちがいい??? ハリネズミの床材紹介第4弾!|モミ材・白い紙の床材・消臭機能付きの紙の床材もテスト
7 給水器:ドームサーバー(三晃商会)
ケージの中はとにかくすぐ汚れます。そのため、衛生面ではボトルタイプの吊り下げ型給水器がベストだと思いますが、うまく飲めない(飲まない)子もいます。そこで、給水器に汚れが入らない飲み口が小さい商品ということでこれを使っています。
この製品の紹介は別記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。
ハリネズミの「給水器」意外と悩みの種の飼育グッズ8 温度計:TT-573-IV(タニタ)
忘れてはいけないのが温度湿度計です。温度は小数点以下1位まで、湿度も表示できるものを使っています。
出産育児の時期にはケージの中に置いて、それ以外はケージのワイヤーに引っかけて使っています。
この「引っかけて」使える点がいいなと思っています。薄くて軽く、マグネットもついているので、いろんな場所に置けます。
9 おもちゃ:ヘチマトンネル(自家製)
トイレットペーパーの芯のほうが有名かと思いますが、ハリちゃんは鼻先を突っ込める穴が大好きです。この自家製ヘチマトンネルは全員のケージに入れてあります。
使う子と使わない子がいて、使っていた子が使うようになったケース、その逆のケース、両方あります。ハウスで眠る前に、ハウスの入口を塞ぐのに使う子もけっこう多いです。眠るときにかぶってアイマスクのように使う子もいます。
工作方法は動画にまとめてあります。
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