ハリネズミ用回し車「ハーモニーホイール30」レビュー&4つのホイール比較

ハリネズミ用回し車「ハーモニーホイール30」レビュー&4つのホイール比較

ハリネズミの運動に欠かせないおもちゃといえば回し車。ただ、夜に活動音がする、悩ましいおもちゃでもあります。今回はGEXの「ハーモニーホイール30」を紹介しながら、サイレントホイール フラット30や静音ホイール31、メタルサイレント32と比較して、ベストな回し車を見つけたいと思います。

YouTube版もあります

静音性やメンテナンス性など、動画で見るとよりわかりやすいです。こちらもぜひご覧ください。


「ハーモニーホイール30」(ジェックス)

「ハーモニーホイール30」外箱
参考 ハーモニーホイール30ジェックス

GEX  ハーモニーホイール 30

GEX ハーモニーホイール 30(Amazonの製品ページにジャンプします)

※摩耗・劣化する「Oリング」「滑り止めパーツ」「吸盤」3つのパーツは部品販売もしています。
参考 GEXサポートパーツショップジェックス

「ハーモニーホイール30」の中身を出したところ
まず好感触だったのが、ホイールがプチプチで包装されていたこと。サイレントホイールはただのビニール包装で、一度買ったばかりのサイレントホイールを開けたらホイールが割れていたことがあったのを思い出しました。プチプチ包装は嬉しい配慮です。

「ハーモニーホイール30」の包装を取ったところ
「ハーモニーホイール30」を組み立てたところ

さて、包装を剥がして組み立ててみましたが、かなりスムーズです。大きめのプラネジを回してホイール部とベアリング部を止めるタイプで、無理な力は要求されず、付け外しはしやすいと思います。

「ハーモニーホイール30」をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付けたところ(正面から)
「ハーモニーホイール30」をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付けたところ(上面から)
「ハーモニーホイール30」をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付けたところ(背面から)

続いて、ハリんちで使っているケージ「シャトルマルチ R70」のワイヤーに取り付けてみました。大きいので思ったよりケージ内が狭くなりますが、取り付け自体は簡単で、無理なくできました。

一晩過ごして翌朝の様子

一晩遊んだあとの様子はこんな感じです。

「ハーモニーホイール30」使用後の翌朝

そしてお掃除。

「ハーモニーホイール30」を洗っているところ

ホイール部には金属パーツも付いていないですし、単一パーツなので汚れがパーツの繋ぎ目に詰まるみたいなこともありません。サイレントホイールや静音ホイールは、使い込むと繋ぎ目が黒ずんできますから、この設計はGOODです。

スタンドに立ててケージ内に入れてみたら

滑り止め付きのスタンドに立てたままケージの中に入れてみたらどうなるか検証してみました。

「ハーモニーホイール30」をスタンドに立ててケージに入れてみたところ

うっ……浮いています。シャトルマルチ R70はプラのトレイでたわみがあるので、スタンドの滑り止めパーツが一部浮いてしまいました。床が真っ平らなケージなら大丈夫だと思いますが、ハリんちではスタンドに立てて使うという選択肢はこれで消えました。

以上、純粋に「ハーモニーホイール30」を使うとこんな感じです。

他のホイールと比較

「ハーモニーホイール30」「サイレントホイール フラット 30」「静音ホイール 31」「メタルサイレント 32」

▲左から、ハーモニーホイール30、サイレントホイール フラット 30、静音ホイール 31、メタルサイレント 32

「ハーモニーホイール30」「サイレントホイール フラット 30」「静音ホイール 31」「メタルサイレント 32」

▲(手前左から)ハーモニーホイール30、サイレントホイール フラット 30、(奥左から)静音ホイール 31、メタルサイレント 32

「ハーモニーホイール30」「サイレントホイール フラット 30」「静音ホイール 31」「メタルサイレント 32」

▲左から、メタルサイレント 32、静音ホイール 31、サイレントホイール フラット 30、ハーモニーホイール30

さて、ここからが本題です。ハリんちの“メイン回し車”の座を奪うことはできるのか、「サイレントホイール フラット 30」「静音ホイール 31」「メタルサイレント 32」と比較しながら検討していきます。

さて、比較の前に、今回ハーモニーホイールを使ってみようと思ったきっかけとなった、ハリんちのメイン回し車「サイレントホイール フラット 30」の問題や、手持ちの「静音ホイール 31」や「メタルサイレント 32」について前段となるお話を少々します。ちょっと長くなりすぎたので、折りたたみます。本題に入りたい方はスルーしてお進みください。

前段1:サイレントホイール フラット 30の品質問題

現在ハリんちで使っている回し車はほとんどがサイレントホイール フラット 30で、他には静音ホイール31が数台とメタルサイレント 31が控えとして用意してあります。ハリんちでは以前から「サイレントホイールBIG」を使っていて、その後継品となるサイレントホイール フラット 30が登場した2020年の春以降は乗り換え、かれこれ5年近く使い続けています。
参考 サイレントホイール フラット 30三晃商会

三晃商会 SANKO U46 サイレントホイール フラット30

三晃商会 SANKO U46 サイレントホイール フラット30(Amazonの製品ページにジャンプします)

しかしここ数年、品質のばらつきが気になってきていました。かみ合わせが悪いのか、新品でも回すとカタン、カタン、と何かが何かに引っかかりながら回っているような音が出ます。もちろん無音な個体もあるのですが、当たり外れが大きいのです。新品の頃は問題なくても、一度ヒビが入るとけっこううるさくなることが多いですし、ヒビが入らなくても突然音がするようになったりもします。

もちろん、回し車がいくら静かでも、生き物が乗って走るのでケージは揺れ、音は出ますから、ケージの隣で寝られるほどではありません。ただ、このカタン、カタンという音はかなり耳障りかつ響くのです。壁を隔てた隣の部屋にもしっかり届いて、寝られないのです。

ヒビが入ったサイレントホイール フラット 30

▲ヒビが入ったサイレントホイール フラット 30

こうしたカタカタ・ガタンガタン音、どうにかできないかとあれこれやってみました。ベアリング部をバラしてオイルを挿したり、ホイールとベアリング部の組み合わせを変えてみたり、ワイヤーからスタンドに変えてみたり……。しかし何ひとつ解決に繋がりません。

ひとつわかったことがありました。ガタガタ言う個体は、ベアリング部はそのままで、ホイール部を付け替えても同じように音がしました。つまり問題はベアリング部にあるのです。おそらく、ベアリングを囲むプラパーツが不安定な形状になっていて回転がぐらつき、プラがプラにぶつかってガタガタ音が出るのでしょう。外れ個体に当たったら諦めるしかないのか……。

また、ベアリングとホイールの接合するプラ部分がとても硬いのも困りものです。これも個体差で、血管が浮き出るほど力んで回してやっと「カチン」とハマるなんていうのもあったり、そうでないものもあったりです。そして、ここは使い込むうちにかなり甘くなり、最終的にはブラブラになって、ハリちゃんが回してるうちに取れて落ちるなんてことも。プラとプラをはめてねじって止めるという構造上の限界ですね。

おまけに言うと、公式ページには「樹脂板を追加し荷重を分散ケージワイヤーへの負担を軽減!」と表示されているものの、同社ケージ「シャトルマルチ R70」への取り付け時、三角(△)状に付けようとするとトレイ部に引っかかって、取り付けができません。仕方なく横向き三角(▷)状に取り付けています。

前段2:静音ホイールとメタルサイレントは?

ハリんちにはサイレントホイール フラット30の他に、静音ホイール 31とメタルサイレント 32があります。

参考 静音ホイール 31マルカン 参考 メタルサイレント 32三晃商会
マルカン CASA 静音ホイール31

マルカン CASA 静音ホイール31(Amazonの製品ページにジャンプします)

三晃商会 メタルサイレント32 ホイールベルトセット

三晃商会 メタルサイレント32 ホイールベルトセット(Amazonの製品ページにジャンプします)

どちらも音のトラブルは限りなく少ないと言えるのですが、数字を見てお気づきの通り、どちらもちょっと大きいのと、お掃除に一手間かかるというデメリットがあります。大きさについてはこちらの写真を見ていただくとわかると思います。

サイレントホイール フラット 30をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付け上から撮影

▲サイレントホイール フラット 30

静音ホイール 31をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付け上から撮影

▲静音ホイール 31

メタルサイレント 32をシャトルマルチ R70に設置し上から撮影

▲メタルサイレント 32

掃除については、静音ホイールはホイール部にベアリングが埋め込まれているので、水洗い後は錆び付きを防ぐため、丁寧に水気を取ってオイルを噴霧しなくてはいけません。

メタルサイレントのほうもベアリングが本体に埋め込まれ、構造上分解ができません。ホイールベルトを付けてベルトだけ洗うようにすれば良いという話ですが、実際はまあまあ本体にも汚れが付くことがあって、でも丸洗いはできないというもどかしさがあります。

というわけでどれも一長一短だったので、期待を込めて「ハーモニーホイール30」を購入しました。

サイズ

まずは4種類のホイールのサイズを測り、表にまとめてみました。

(単位:cm)最大横幅取付時奥行取付時の床→入口スタンド時の床→入口
ハーモニー30.71846
F3030175.55
静音31311857
メタル3235174.54.5

最大横幅」はホイールの直径ですが、ホイールによっては膨らんでいたりするので、いちばん長くなる場所を測りました。「取付時奥行」は、シャトルマルチ R70の横方向のワイヤー、下から4つ目に各ホイールを固定した時の奥行きと、床から入口までの距離です。例外的に、メタルサイレントは置くしかできませんので置いた状態の距離となります。「取付時の床→入口」は、ケージに取り付けた際の床から入口までの高さです。ついでに、スタンド設置時の床から入口までの高さも「スタンド時の床→入口」として測りました。

4つのホイールをケージに取り付けた際の床から入口までの高さ(左からハーモニーホイール30、サイレントホイール フラット 30、静音ホイール 31、メタルサイレント 32)

▲ケージ取付時の床→入口の高さ(左からハーモニー、サイレント、静音、メタル)

4つのホイールをスタンドに設置した際の床から入口までの高さ(左からハーモニーホイール30、サイレントホイール フラット 30、静音ホイール 31、メタルサイレント 32)

▲スタンド設置時の床→入口の高さ(左からハーモニー、サイレント、静音、メタル)

ハーモニーホイール30とサイレントホイール フラット 30を並べて正面から大きさを比較

▲ハーモニーとサイレントの大きさ比較

ハーモニーホイールは第一印象から「思ったより大きいな」と思っていたのですが、カタログスペックには、ホイールは30cm径と表示されています。

「ハーモニーホイール30」のスペック表示

しかしどうも腑に落ちません。そこで、巻き尺を使って採寸してみることにしました。ハーモニーホイールはややベル状で、奥が狭く入口が広いかたちなので、入口と奥をそれぞれ測ってみたところ、入口は30.7cm、奥は28cmでした。

「ハーモニーホイール30」の入口直径
「ハーモニーホイール30」の奥直径

どのホイールも、最大径を製品名に付けますから、「これ30じゃなくて、ハーモニーホイール(約)31だ」と思いました。参考として、サイレントホイールの径も測ってみました。

「サイレントホイール フラット30」の入口直径
「サイレントホイール フラット30」の中間部直径

サイレントホイールの場合、真ん中が膨らんでいるので、最大径は真ん中で測ったところ、入口は27.5cm、真ん中が30cmでした。数字で見るとだいぶ大きいことがわかると思います。後でまた紹介しますが、ハーモニーホイールはどちらかというと「静音ホイール 31」と同じくらいの大きさです。

各ホイールをケージに設置して上から見た様子も再掲します。

「ハーモニーホイール30」をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付けたところ(上面から)

▲ハーモニーホイール30

サイレントホイール フラット 30をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付け上から撮影

▲サイレントホイール フラット 30

静音ホイール 31をシャトルマルチ R70のワイヤーに取り付け上から撮影

▲静音ホイール 31

メタルサイレント 32をシャトルマルチ R70に設置し上から撮影

▲メタルサイレント 32

ハーモニーホイールはホイール部が水平で足場が広いので、ハリちゃんが走っている時に足をはみ出す心配はかなり減ります。この点はメリットと考えていいでしょう。

しかしケージ内で場所を取ります。サイレントホイールよりも横幅・奥行き共に約1cm長いです。たかが1cmと言いたいところですが、実感としてはもっと狭く感じます。ケージ内の用品配置は試行錯誤が必要です。

実は上記写真で配置している階段&ロフト付きハウスは、ハーモニーホイールの大きさに配慮して今回新しくつくった、少し小さめのものです。うちに以前からある、大きめのハウスと一緒にハーモニーホイールを入れると下記のようになってしまいました。階段がホイールの奥行きで隠れてしまい、ほぼ“登れない階段”になってしまったのです。

ハーモニーホイール30とハリんち標準サイズの階段&ロフト付きハウスを配置した様子

参考までに、ペットナチュラルバー M(サカイペット産業、曲げて19×17cm程度)とハリネズミののぞいて安心ハウス(マルカン、26×16cm)を入れてみた様子も載せておきます。

ペットナチュラルバー Mをケージに入れてみた様子

▲ペットナチュラルバー M サイズ

ハリネズミののぞいて安心ハウスをケージに入れてみた様子

▲ハリネズミののぞいて安心ハウス

サカイペット産業 ペットナチュラルバー M サイズ

サカイペット産業 ペットナチュラルバー M サイズ(Amazonの製品ページにジャンプします)

マルカン CASA ハリネズミののぞいて安心ハウス

マルカン CASA ハリネズミののぞいて安心ハウス(Amazonの製品ページにジャンプします)

静かさ

ベアリング部は大きいので回転時の揺れが少なく、異音もありません。構造としては静音ホイールに似ていると思います。ハリんちではやんちゃ盛りの7ヶ月、こはるちゃんの自宅に設置して1ヶ月が経過しています。

毎夜、注意深く観察をしていますが、ノリノリで走っていてもホイールから音がすることはありません。もちろん、ホイールを回すことによるケージの揺れはありますから、無音ではありません。基準としては、ドアを閉めて隣の部屋にいて気になる音が出るかどうか

そう考えると、メタルサイレントと静音ホイールとハーモニーホイールが同じくらい。サイレントホイールは個体差が大きくて、とても静かな個体がある一方で異質なカタンカタン音が出る個体もあり、評価はどうしても低くなります。

メンテナンス性

ハーモニーホイールのホイール部は単一のプラパーツのみで洗いやすいです。この点はサイレントホイールと同様に大きな利点です。静音ホイールは金属のベアリングパーツごと洗わなくてはならないので、別途メンテナンスが必要。この点で評価はマイナスになります。

総評:なかなか良い

ハーモニーホイール30は、サイレントホイール フラット 30と静音ホイール 31の長所を掛け合わせたようなホイールです。思ったよりも大きいところはマイナス点ですが、それを差し引いても、静音性やメンテナンス性の高さは大きなメリットと感じます。ケージサイズやケージ内用品のスペースに余裕があるなら、迷いなくハーモニーホイールをオススメできます。

ハリんちでは、異音がし始めたサイレントホイールから順次入れ替えていき、メインの回し車はハーモニーホイールに置き換える予定で、すでに2台追加購入済みです。

「ハーモニーホイール30」2台

▲2台追加購入済みです

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