ペットの飼育で避けて通れない「医療費」。ハリネズミは犬猫と比べるとワクチンもありませんし、手術費用もかなり安いですが、それでもそれなりにかかります。今回は、常時10匹超の多頭飼育をしているハリんちが2021年から2023年の3年間に支出した医療費と治療内容をまとめてみました。
目次
2021年の医療費
2021年、ハリんちメンバーは16匹でスタートし、新入り1名(快)、虹の橋1名(チクリン)で終えました。2019〜2020年生まれの子が大半で、年齢のボリュームゾーンは1〜2歳。高齢ハリは少ないので、加齢による通院はそれほどありませんでした。
それでも2021年は、
- 姫と夏に子宮卵巣摘出手術を実施
- 24時間換気による温度変化を甘く見て5名に風邪を引かせてしまった
- チクリンの不調の原因特定が進まず、検査を繰り返した
2021年の初通院は3月19日、チクリンちゃんです。不調が続き、かなりあとで先天性心疾患の疑いが濃厚と診断され、ほどなくして亡くなった子です。詳しくはこちらの記事にまとめています。
小さく産まれた子の先天性心臓疾患
4月末には快くんをお迎えしたのですが、実は風邪を引いていて、ハリんちに来て早々ごはんを食べないという事態に。いきなり点滴や抗生剤のお世話になってしまいました。
6月には姫ちゃんが血尿をして、子宮卵巣摘出手術を実施しました。
別の病院の開拓に奔走
この当時かかりつけでお世話になっていた病院Aは、信頼していた獣医さんが退職してから少しモヤモヤとすることが増えました。特に先述のチクリンちゃんの通院です。たびたび調子を崩して通院するもなかなか状態が良くならず、毎回のようにレントゲンも撮っていたのに、亡くなる一週間前に先天性心筋症の診断。仕方なかったことですが、モヤモヤは残ってしまいました。
それで、別の病院も開拓しようということで、新しく2つの病院を試しました。そのひとつ、病院Bは8月に行った病院。いちごちゃんの首の掻き傷が、病院Aの通院でもなかなか良くならず、セカンドオピニオン的に診てもらったのです。
でも結局、目新しい診断は得られませんでした。処方薬も病院Aがプレドニゾロン(ステロイド)+バイトリル(抗菌薬)だったのに対して、病院Bではバイトリル(抗菌薬)のみと大きなちがいはなく、通院を止めました。いちごちゃんは2023年に別の病院で診てもらっており、後述します。
もうひとつの病院Cは、お店や自宅からはけっこう遠かったのですが、とにかく評判が良いところでした。10月末に、お店の換気が災いして5名に風邪を引かせてしまったタイミングで、咲・花・夏の3名が1ヶ月半ほどお世話になりました。夏ちゃんは治療前の検査で子宮内膜炎が発覚し、子宮卵巣摘出手術も受けました。
ただ、病院Cは実際通ってみたら診療費がとても高く、悲鳴を上げてしまいました。どのくらい高かったかというと、12月にやった夏ちゃんの子宮卵巣摘出手術が、準備を含めると20万円超。病院Aで6月にやった姫ちゃんの同じ手術は約7万円、さらに病院Dで2023年10月にやったいちごちゃんの子宮卵巣摘出手術は約5万円。
もちろん安けりゃ良いというわけではないですが、ここまでの差はちょっと厳しかった……です。
というわけで、新しい病院の開拓には失敗してしまいました。
2022年の医療費
2022年、ハリんちメンバーは16匹でスタートし、新入り1名(ちくわ)、虹の橋2名(さくら、元気)で終えました。前年同様2019〜2020年生まれの子が大半で、年齢のボリュームゾーンは2〜3歳。
この年の大まかな医療的なできごとは、
- さくらと元気が年明けから夏前まで闘病、逝去
- カルビに子宮卵巣摘出手術を実施
2名が類似の診断、緩和療法を経て虹の橋へ
2022年初頭から7月末まで、さくらちゃんが炎症性腸疾患(またはリンパ腫)、元気くんも炎症性腸疾患の診断を受け、ステロイドを用いた緩和療法を続け、やがて亡くなるということで立て続けに2名を見送りました。
さくらちゃんの闘病についてはこちらにまとめてあります。
炎症性腸疾患?原因不明の体調不良で逝去したさくらちゃん
くしゃみが慢性化、蓄膿症(副鼻腔炎)に
もう1名、咲ちゃんは年明けから6月まで、バイトリル(抗菌薬)の処方のみを定期的に続けていました。これは、2021年秋に季節の変わり目で風邪を引いてから、半月ほどでだいたい治ったものの、くしゃみが時折出る状態から回復しなかったためです。症状が慢性化して蓄膿症(副鼻腔炎)になってしまったものと思われます。
それで半年間抗菌薬を飲み続けていたわけですが、全然改善しませんでした。2023年末、これを書いている今も含めて、春・秋・冬には起き抜けにくしゃみをしますし、冬になるとたまに右側の鼻の穴から青っぱなが出てきたりすることもあります(見つけたらサッと取ってあげています)。
飼い主としては申し訳ない気持ちを抱きつつ、咲ちゃんには病気と付き合ってもらっているという状態です。
2023年の医療費
2023年、ハリんちメンバーは15匹でスタートし、新入り1名(ララ)、虹の橋4名(大吉、コロ、快、花)で終えました。前年同様2019〜2020年生まれの子が大半で、年齢のボリュームゾーンは3〜4歳。加齢に伴う病気や逝去がかなり増えた年です。
この年は、
- かかりつけの病院を病院Dに変更
- 歩けなくなった子2名(大吉、快)を看取る
- コロがリンパ腫疑いで闘病、逝去
- ハリんちの最年長記録者(5歳6ヶ月、花)の逝去
- いちごに子宮卵巣摘出手術を実施
- カルビにリンパ腫発症、さらに心不全も併発
- 姫に心不全発症
小規模な動物病院にかかりつけを変更
2021年の夏〜秋、動物病院を渡り歩いてみましたが、今ひとつしっくり来る病院には巡り会えませんでした。しかしそれで諦めたわけではありません。コツコツと調べていた2022年の中ごろ、獣医師は院長先生だけの、クチコミの良い小規模な動物病院を見つけました。それが病院Dです。
2022年12月の半ば、いちごちゃんがテーブルから落ちてねんざしてしまったタイミングで、その病院Dに連れて行ってみました。クチコミの評判が良かった理由がわかりました。病院Dの院長先生は、飼い主が診察や医療に参加できるような工夫をしており、診療についての透明性を高める努力をされていたのです。
例えば、先生も飼い主も地べたに座り、いちごちゃんの歩き方を共に観察したり、鎮静をかけてエコー検査をしている様子を見せて説明をしたりといったことです。
また、かねてから困っていたいちごちゃんの首の自咬についても、抗うつ薬、不安や恐怖の緩和サプリ、抗ヒスタミン薬など、他院とはちがったアプローチを試してくれました。
結果的にどれも効果は認められず、咬んだらプレドニゾロンとバイトリルで鎮めるというやり方に落ち着きましたが、「試した」ということが好印象でした。
さらには、診療費がリーズナブルな点も助かっています。先述の通り、子宮卵巣摘出手術が約5万円と、過去に通ったどの病院よりも安かったです。
というわけで、2023年からかかりつけの病院は病院Dになりました。
3名の看取り
大吉くんはかねてからコケるクセがありましたが、2022年末には1歩歩いてはコケてしまうようになり、2023年3月頃には這って進むように。4月に入ると完全に歩けなくなってしまい、5月頭に虹の橋を渡りました。
コロちゃんは消化器型リンパ腫との診断を受け、約5ヶ月の闘病の末、5月に虹の橋を渡りました。2022年のさくらちゃんと元気くん、そして現在も闘病中のカルビちゃんと同じで、プレドニゾロン(ステロイド)で症状が抑えられるということで病院Dでは消化器型リンパ腫の診断です。病院Aでは炎症性腸疾患(IBD、現在は免疫介在性腸症とも呼ばれます)の診断でした。
快くんは年明けすぐ、突然よろけるような動きを見せ、検査や投薬で原因を探って行くなかで、脳神経系疾患と診断。後ろ脚が使えなくなり、やがて前脚も使えなくなり、身体全体が動かせなくなってしまいました。
ステロイドでも回復できないということで、見守りつつ対症療法をと方針を決めたあと、今度は下あごに扁平上皮癌もできてしまいました。痛みが出ないよう投薬で緩和しつつ、1日2回の強制給餌を行って看病を続けていましたが、2歳3ヶ月という若さで旅立ってしまいました。
2名の闘病
そして現在、姫ちゃんとカルビちゃんの看病が進行中です。姫ちゃんは11月、歯肉炎の兆候が見られたため受診したときに、先生がお腹の張りに気付きました。腹水を少し抜いて成分を検査した結果、静水圧上昇による腹水、つまり心臓病との診断を受けました。
カルビちゃんは夏に食欲不振と下痢の症状が出て診察と投薬の結果、消化器型リンパ腫の診断を受けて治療開始。うんちの調子は良くなったものの、11月からは姫ちゃんと同様に腹水が貯留するようになりました。しかも成分検査の結果、姫ちゃんの腹水と似た特性があり、やはり心臓病との診断です。
2名とも現在も治療中ですが、利尿薬が効いておらず、日に日に腹水の貯留量が増えています。でも、心臓由来のため鎮静をかけて腹水抜くことがリスクになるため、何もできない。とても苦しい看病です。
2023年はとにかく悲しいことが多かった一年です。どんな子もそれぞれ可愛いところがあり、お別れは毎回引き裂かれるような思いです。
その一方で、ハリんちとしては初めて、花くんと姫ちゃんが5歳の誕生日を迎えることができ、飼育者としての自信に繋がったというプラスの出来事もありました。
病気関連の記事
ハリんちで経験したハリネズミの病気についての記事です。併せて参考になれば幸いです。
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